先々週にNapoliに出張に行っていた時に,"Napoli sotterranea"という,地下空間に展開する回廊を見学した.Napoliは古代ギリシャ人が開拓した街であるが,その時に地下に展開する岩盤を切り出して,建材として使っていたらしい.こうして出来た地下空間が,古代ローマによって相互に接続され,貯水槽として用いられた.温度が一年中ほとんど変わらないことからその後は貯蔵庫として使われ,第二次世界大戦時には防空壕として使われた.
見学が9名と大人数であったため,単独でガイドが付いてくれた(もちろん有料).Napoliの観光の中心地であるSpacca Napoliにもいくつか入口があるようだが,我々はQuartieri Spagnoli(スペイン地区)にある入口から中に入る.階段をどんどん地下に入っていき,最初の広間のようなところで,この地下空間の概要の説明を受ける(下手するとイタリア語だけかも).
その後,人が一人通るのがやっとの幅しかない通水用通路をくぐり,やがて防空壕として利用されていた地区に到達.ここでは当時の落書き(昭和天皇ヒロヒトの絵まであった!),電気設備の跡,トイレ空間,といったものを見ることが出来る.ガイドもだんだん調子づいてきて,空爆から逃げる時の様子をまねするなど芝居がかってきた(笑).
ある空間でガイドが電気を消して真っ暗になる.「全く何も見えず聞こえない空間はどのくらい恐怖を感じるか?」ということを経験させたかったらしい.2分後くらいに同行者が「もういいんじゃないですか?」と言葉を発して無事終了.
このようにして1時間弱,地下空間を練り歩いた.これはなかなかお薦めだと思う.こんな場所にも面白い観光施設があるイタリア,その長い歴史の重みを感じざるを得ない.日本も歴史はそれなりに長いはずなのだが,果たして...
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