イタリアでの車の運転は,運転に余程慣れている人でないと,基本的にあまりお薦めできない.街中は一方通行だらけで,どこからでも車とバイクと人が沸き出してくる.駐車場が少ないので,路駐でしかも狭いスペースへの縦列駐車を余儀なくされる.街中で駐車するには,場所を瞬時に見つける反射神経と,どんな手段を使ってでも場所を確保する胆力や図々しさと,違反を恐れない精神,の三つが必要だ.
併走する二台の車が前方の一車線のスペースを目指して争う場合,一方でも先に出て割り込めば,最終的にはほとんどのケースはあきらめてくれる.決して”チキンレース”にはならない(最終局面で両車揃って急ブレーキをかけない)のだ.この原則を高度に利用して,事故に気を付けながら常に他車よりも先んじるという張り詰めた運転をしていれば,ものすごいスムーズに運転できるのだ.
私ももちろんスムーズに運転したいので,公道レースのような意識で運転をしている.こんな運転を続けているせいで,最近運転中の気性が荒くなってきたと実感している.こんな時に事故を起こしてしまうのだと自覚はするのだが,いざとなるとレースモードになっている.
イタリア人は前がちょっとでももたついたり,自分にとって不都合な挙動をされると,すぐにクラクションを鳴らし,両手を大きく広げて「オーマイガー」ポーズを取る.一方のクラクションを鳴らされた方も「何?」という雰囲気で全然気にしていない.イタリア人はまず謝らないので,言い争いになることもある.そんな言い争いに遭遇すると,「そんな間にとっとと進んでくれよ」と思う.ちなみに,バスの運転手にもこんなひとが一定数いる.
この両手を広げるポーズ,子供と一緒に面白がってまねしていたら,いつの間にかクラクションを鳴らした後に両手を広げそうになってしまっている(笑).
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