この住居は単純な石積みでできている.しかもモルタルで接着していない.物置兼住居だと思えばよい.地震にはからっきし弱そうだが,このエリアは少ないのだろうか.壁は二重構造のようで,夏は涼しく,冬は暖かいのだとか.
ちなみに住居だけでなく,周辺の農地の区割りにも白い石垣が用いられていた.前日にEtna山の周りで溶岩質の黒い石垣をたくさん見たのだが,こちらはその材料が周囲に掃いて捨てるほどあるので,不自然さを感じない.しかし,ここAlberobelloでは周りに白い岩石を供給する場所を見ることができないので,あの大量の白石をどこから持ってきていたのか,不思議である.
この街では,Trulliのホテルに泊まることが出来る.我々はTrulli Holiday Resortに一泊した.ここは街に二箇所あるTrulli住居群地区のうち,ほとんど観光地化されていないAia Piccola地区内にあるTrulliをそのまま部屋としているようだ.この地区は大変静かで,周囲のTrulliは実際に生活している人たちが住んでいる.
寝泊まりしたTrulliは寝室一部屋,リビング,キッチン,トイレ+シャワーが付いていた.エアコンはなかったが,内部は全然暑くなかった.給水システムの影響からか,シャワーの出が悪かったのが難点だ.また,構造上大きい窓を設置できないのだと思うが小窓しかない.まあ,数泊までなら気にならないだろう.四人で一泊160ユーロくらいだったと思う.ホテルのフロント(英語はバッチリ通じる)は街の中心部にあり,部屋から歩いて500mくらいだった.朝食は200m離れている指定のレストランでとる.問題はやはり駐車場.完全に路駐なので,場所取りの戦いとなる.これも難点だ.
チェックイン後にもう一つのTrulli地区であるRione Monti地区へ向かう.Aia Piccola地区からは300mくらい離れているだろうか.こちらはもう完全に観光地化されていて,レストランや土産物屋ばかりあるという印象だ.この地区は約1,000棟のTrulliがあるらしく,高台からの眺めは最高だ.冷やかしに日本語だらけの土産物屋(従業員は結構な親日家のようだ)に入ったところ,押しつけがましくなく屋上を見せてくれた.申し訳ないので,土産物をいくつか購入する.日本人の性格をよく分かっているのだろう.
翌日は朝少しだけ街を見て,ローマに向けて出発.Alberobello自体の観光は一泊で十分だ.500km(90%が高速道路区間)をほぼ順調に走破して,夕方には自宅に到着した.これで長いバカンスはめでたく終了,愛車もいたずらされることなく無事に帰還.
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