ローマを去る日まで一ヶ月半を切った.お陰で公私ともに忙しく,ブログ更新が滞っている.ネタはあるのだが各時間はない.
先月中旬に,イタリアの政界に再び激震が走った.首相が18才未満のコールガールを何度も自宅に呼び,多額の口止め料を要求されたというのだ.これまでも数々の暴言やスキャンダルで定期的に話題を提供している首相である.「またか」という感覚だ.
しかし,こんなに恥をかいても(恥と思っていない可能性も高いが)首相の座から降りないのは,正直言って驚きを隠せない.首相をやっているのは,これまでの行状で逮捕されないように,自分に有利な法律を作るためであるという信じられないうわさもある.ここまでくると,このうわさはかなり当たっているのかもしれないし,最終的には裁判所で違法判決が出たようだが,現実にそのような法律を多数通してきている.
日本で同じことをやったら最低限政治生命を絶たれ,社会的にも復帰できないだろう.ベルルスコーニは何でこれで首相を続けられるのかが大きな疑問だ.
この疑問を,最近親しくなったイタリア人(子供の同級生のパパ)に投げかけてみた.彼の顔を真っ赤にして,「私も信じられないが,どうしようもない」という怒りと無力感を吐露するのみだ.彼がインテリ層かどうかは不明だが,日本を含めた外国の状況をよく知っているようなので,このような首相を担ぐことを苦々しく思っているようだ.ママ(日本人)は「あの抜け目なさやずるがしこさに一般のイタリア人は惹かれるんですよ」と言っていたが,いくつかの書籍でもこれに相当する分析を見たことがあるので,一般的な理解なのだろう.
それにしても毎度情けなくなるのは与党の議員である.昨年末も不信任決議で最終的に反対に回った議員も多いし,今回も与党議員から威勢のいい声が聞こえてこないのだ.首相からの金銭援助がよほど魅力的なのか,あるいは裏から命を狙われているのか,実態はこの辺にあるのではと感じる.
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