滞在を始めて10ヶ月が過ぎたが,依然としてイタリア語はそんなに話せない.レベルとしては最初の手応えをつかんだ昨年9月頃から一向に進化せず,最近は自宅に閉じこもってデスクワークをすることが多くなったので,むしろ劣化してきているかも知れない.
それでも,例えば仕事でイタリア人とあった時には,最終的には英語になっても,最初の挨拶や自己紹介くらいはイタリア語で話すように心がけている.ここのところ,イタリア政府の高級官僚にヒアリング調査をしているのだが,ヒアリング対象者は何とか英語が出来たとしても,秘書等に取り次いでもらわなければならず,彼女達はまず英語は話せないのだ.
秘書に,"○○さんと○時からアポイントを取っている○○大学の○○ですが”とイタリア語で話しかけると,"Parla italiano!(イタリア語が話せるんですね)"と満面の笑みで答えてくれ,その後の扱いが非常にやさしくなるのだ."Mi scuci, non so parlarlo e ascoltarlo bene(すみません.そんなに話せないし,聞き取れません)"と答えても,一方的にイタリア語のマシンガンが飛んでくる.
ホテルのチェックイン時にイタリア語で話し始めると,やはり"Parla italiano!"とくる.スタッフ達に私がイタリア語を少しは理解しているようだということが伝わっていて,その後の対応が基本的にイタリア語になることが多く,なかなか疲れる.
それでも,この"Parla italiano!"というイタリア人の喜びの声を聞く度に,何だか相手が少しは認めてくれたような気になって,非常にうれしくもなってくるのだ.こんな気分も,残念ながらもうすぐ終わりだ.
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