私,仕事の都合で1年間弱ローマに滞在することになりました.今までブログをやっている時間はまったくと言っていいほどなかったのですが,この際ローマで経験したことを記録として残しつつ,現地の最新情報を提供できればと考え,初めてブログに手を出してみました.
2011年2月7日月曜日
もうちょっと何とかして欲しいPompei(2)
このPompei,昨年末に雨で遺跡の一部が崩壊した.これだけが理由ではないが,あちこちで補修や保存のための工事が行われている.そのために通路が閉鎖されたりしているのだが,どこが閉鎖されていて,迂回経路はどうなっていてといった案内が一切ないのには閉口した.まあ,やっぱりこれがイタリアである.日本みたいに案内が過剰なのもどうかとは思うのだが...文化財の維持にかけている予算が潤沢でないらしいので,まだ工事をしてくれているだけましなのかも知れないと思い直すことにする.
南西側入口近辺はForoと呼ばれる広大な広場空間だ.遙か昔から,このような空間が都市にとって重要だったのだと改めて認識できる場所である.このエリアには,噴火で犠牲となった人の型が一体だけリアルに残っていて思わず息を飲む.遺跡内は野良犬が生息しているようで,このForoにも多数集まっていて,犬嫌いの私にとってはなかなか落ち着かない空間だ.
Pompeiはベスビオからナポリ湾に向けた傾斜の途中にあるので,基本は南北方向に緩やかな傾斜がある.Foroから遺跡西北端のVilla di Diomedeに向かう道は基本的に登りである.木陰も少ないので,真夏にはかなりの体力と気力が必要だろう.しかしこのVillaには犠牲者の型が数体あるので,やはり見逃すわけにはいかない.
遺跡のコンテンツは,この犠牲者の型と街路構造を除けば,ローマ近郊のOstia Anticaと大して変わらない.どちらにも競技場,広場空間,生活空間,大規模浴場がある.Pompeiの大規模浴場は,今回は閉鎖中で入ることが出来なかったのがやや残念だ.こういう見所は極力閉鎖しないで欲しいものだし,閉鎖中の施設はきちんと入場時に知らせて欲しいものだ.
さて,数年前に日本でPompeiを特集した番組を見たのだが,この時に新たに発掘された,火砕流や噴石から家族を守ろうとする父親や苦しみながら絶命した人といったショッキングな型を見た記憶があった.それをずっと探していたのだが,ここまでに全く遭遇しなかった.そこで受付でもらった分厚いパンフレットを再確認すると,何と我々が入場した入口に比較的近いところにあったようだった.閉場になると困るので,慌ててその場所に向かう.もう少し展示方法を考えた方がいいと思うが,屋外のガラスケースの中にそれらはあった.それらはまさにテレビで見たあのショッキングな犠牲者の型であった.
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