12月23日の午後,ローマにあるいくつかの大使館で郵便物が爆発するという事件(未遂を含む)が起きた.残念なことに複数の大使館員が重傷を負っている.12月に入ってから,何からイタリアが一気にきな臭くなってきた.クリスマス時期でもあって,最近はあちらこちらで爆竹が鳴っているのだが,一瞬,この音がテロの音なのかとか,治安部隊がデモに対して威嚇弾を発射している音なのかとか,思ってしまうほどだ.
この爆発事件の報道で驚いたことがある.我が家では,国営放送のRAI Unoからほとんどテレビのチャンネルを変えない.国営放送らしく,ニュース番組は結構な頻度で流れている.23日夜のニュース番組のトップニュースは,国内政治事情に関するものであった.これを10分くらいやってから,ようやく爆発事件のニュースである.それも事実を淡々と伝えただけで,あっさり終了.
この扱いには正直言って驚いた.爆発事件は左翼過激派から犯行声明が出ており,ベルルスコーニ体制の転覆を狙ったものであるそうで,大使館はその巻き添えである.きちんと対応しないと,イタリアの政治や治安の対外的信頼を損なう(既に十分損なっているが...)大事件となるはずだ.メディアにその意識がないのであろうか? 最も,国営放送も政府から体制に有利な報道をするように圧力がかかっているらしいので,意識があっても出来ないのかも知れない.
またRAI Unoのニュースはほとんどが国内のものであって,国際関係の情報が大変少ないと感じている.イタリアでは多くの国民がテレビのみから情報を仕入れるのだそうだが,これでは国内のことにしか興味を持たなくなるだろう.もっとも,国民的にあまり国外のことに興味がないから,ニュースの取り扱いもそれを反映しているのかもしれない.
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