2010年12月22日水曜日

古代ローマの遺産めぐり:Appia旧街道周辺(2)

古代ローマで道路と双璧をなす有名なインフラは水道である.何十キロも離れたところから緩やかな傾斜の付いた水道橋を介して,ローマに新鮮な水道水を供給していたのである.

このAppia旧街道から少し離れたところに,水道橋が部分的に残っている大きな公園がある.ここに是非行ってみたかったのだが,これまで実現していなかった.旧街道を探索したついでに足を伸ばすことにした.単に遺跡というと子供達がいやがるので,「そこはサッカーや野球で遊べるから行こうよ」とそそのかして連れて行く.

この公園の名前は,Parco degli Acquedottiと言う.Appia旧街道と違って,ここは公共交通,しかも地下鉄でアクセスできるのだ.駐車場スペースもそれなりに確保されている.水道橋は細長い公園を横切った奥の方に見ることが出来る.公園のあたりは2~3スパンしか残っていないが,少し歩くと比較的何十スパンも連続して残っている区間も見ることが出来る.高さは10mはないくらいだろうか.しばらく子供達をサッカーで遊ばせて,私はカメラ撮影にいそしむ.

ローマの水道を見るのはこれが三つ目である.最初はスペインのセゴビア,次は同じくスペインのタラゴナだ.残念ながらこれらと比べて本家の保存状態は良くない.セゴビアは街中にある水道橋,タラゴナは確か谷を越える水道橋だったと思う.一方,この公園の水道橋は,平地の水道橋で,スペインの二つとは異なる趣がある.ピクニック気分でのんびりと眺めるのにちょうどよい.やや残念なのは,すぐ脇を現在のインフラである鉄道が通っていて,列車数が多くて意外にうるさいことか.次は南仏のポンデュガールを見たい.

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