帰国まで三ヶ月強,まだ余り手を付けていないローマの屋内系観光施設を精力的に見始めないと行けない時期だ.週末は可能なら遠出に使いたいので,平日の出勤前に少しずつ立ち寄ることに決めた.そうは言っても博物館や美術館はメジャーな所は半日はつぶさないと無理なので,短時間で見られる教会を最初のターゲットとした.
他の都市なら一つか二つ見ればいい教会も,ローマではものすごくたくさんある.これまでにつぶしてきた教会は,クーポラのついでに見たバチカンのSan Pietro大聖堂,オフィスの真ん前にあるSan Pietro in Vincoli教会(ミケランジェロのモーゼ像が有名),真実の口があるSanta Maria in Cosmedin教会だけだったことに気がつく.これは大変だ.
今回の教会廻りのスタートをSan Giovanni in Laterano教会とすることにした. これは,ローマ皇帝のコンスタンティヌスがキリスト教を国教とした4世紀に建設され,その後1000年近くローマ法王が居を構えた教会である.一度はそこで見捨てられるものの,再度大規模修復が始まり,現在のファサードは18世紀のものなので,バロックの次のネオクラシック様式というらしい.
正面に立ってファサード全景を写真に収める.結構大きいのでかなり後ろに下がらないとダメだ.中に入ると,さすがにSan Pietroには遠く及ばないが,想像以上に大きな空間だ.内装は,モザイクの固まりといったところか.どこを見渡してもきれいで贅沢というほかない.これも見事な祭壇に向かって左の側廊の外の中庭には,シチリアのモンレアーレでも見たような回廊があり,ここだけは有料(2ユーロ)だ.派手さはモンレアーレよりは劣る.
内部の派手な内装を堪能した後は,外に出て八角形の洗礼堂に向かう.入口が入っていいのか迷うようなたたずまいだ.中に入ると,修復作業用の櫓が組んである(ローマではどこに行ってもどこかしら修復作業をしている感じだ).外観は地味だが,内部はそれから想像できないくらいに美しい.もう一つ,教会外の別の建物内にScala Santaと呼ばれる28段の階段がある.階段の先に法王専用の礼拝堂があるらしく,この階段はひざまずいて昇らなくてはならないらしい.別にしなくてもいいと思っていたのだが,注意書きがあって本当にみんなそうしていたので,時間がなかった私は登頂をあきらめることにした.
ここで教会を立ち去ることにしたが,思っていた以上に熱心に見てしまい,小一時間はかかってしまった.
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