2010年12月13日月曜日

ローマで教会廻り(4):Trastevere地区その2

ここまででまだ1時間ちょっとだ.もう一時間くらい回ろうということで,次に向かったのはSanta Cecilia in Trastevere教会である.これは,先の二つの教会とはTrastevere大通りを挟んで反対側にある.ここも入口を見つけるまできっと不安になる人が多いと思う.

この教会は壁に囲まれているのだ.入口を入ると,美しい中庭と小振りなファサードが目に入る.私しかいなかったので,大変静かである.ここも,かつてあった屋敷に住んでいてた富裕貴族の妻で,キリスト教の弾圧期に殉教したCeciliaを祀っていて,かつての屋敷跡に立っていた教会を9世紀に建て直し,何度か改修を重ねたものだ.ここも,ロマネスクの長方形の鐘楼と,17世紀以降のファサードの,もはや見慣れた組み合わせである.

この聖Ceciliaは音楽の守護聖人のようである.そのせいか分からないが,教会内部で信者によるパイプオルガン演奏が行われていた(単なる練習かも?).すっきりとした内観で,ここまで見てきたローマの教会の中で,現時点では一番のお気に入りかもしれない.祭壇の下に,有名な聖Ceciliaの像がある.殺されて埋葬されたときのポーズ(1,000年後に原型のまま発見されたらしい)だということらしい.顔が伏せられて横たわっている姿に,不思議な色っぽさを感じる.

かつての屋敷跡に立っているので,ここにも地下遺構がある.これは2.5ユーロだったが,説明の不十分で凡庸であり,見なくて良いと思う.

次に,その近くのSan Francesco a Ripa教会に向かう.ここは,教会としては地味で普通だが,かの有名なベルニーニが80歳近くで作成したらいい傑作があるので,見所の一つとなっているのだった.ガイドブックで見ることが出来る美しい像の写真は,実際にはそんなにきれいに大きく見えない位置にある.遠くからでも何故か色っぽい,死の直前の聖女の様子は何となくうかがえて良かった.

ここまでで約2時間,ちょっとした散歩にぴったりのコースである.

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