2010年12月22日水曜日

古代ローマの遺産めぐり:Appia旧街道周辺(1)

先週の土曜日,午前中にタイヤのパンク修理がようやく終了し,翌日日曜日は天気が悪いことが予想されたので,午後に近場でどこかに行こうということになった.

10月末の東京出張の時に「地図で旅する永遠の都ローマ物語」という,古代ローマの4世紀の復元地図をベースとした当時の旅人を主人公とした滞在記の大型本を買ってきて,現在それを読んでいる.その最初の章がAppia街道を通ってローマ市内に入る場面なのだが,そう言えばAppia旧街道をきちんと見ていないことを思い出したので,早速Appia旧街道エリアの探索に出かけることにした.

Caracalla浴場から南東に1kmくらいの所にあるSan Sebastiano門がAppia旧街道のスタート地点である.街道はそこから南東方向に向かうが,スタートからムード満点だ.路面はもちろん古代のものとは異なるが石畳である.門から100mくらいのところに,一本目のマイル柱石,すなわち起点の標識,が壁に埋め込まれている.交通の専門家として,これは写真を撮らなければならない.やや顰蹙を買いながらそのそばに路駐して,反対側の路側から写真を撮る.信号待ちの列がこの位置まで延びてきていたが,写真を撮っている私を見て,親切にかぶらないように車間を開けて停車してくれた.

その後,旧街道を進む.この道は,日曜日は車両通行禁止になって,自転車や歩行者に開放される.土曜日は交通量も少ないので,風景に感心しながらトロトロ走っていると,後ろから車が高速でバンバン追い抜いていく.石畳なので,もちろん乗り心地は相当悪い.替えたばかりの中古タイヤの様子が少し気になる.

古代のAppia旧街道の沿道は,お墓だらけだったそうだ.そのため,このエリアはキリスト教公認前のローマ式お墓と,キリスト教のカタコンペの宝庫である.その影響か,沿道の人口は少ないようだ.石畳の上をけたたましく走る車がいなければ,相当に静かであろう.もちろん,これらのお墓やカタコンペは見学可能であるが,これまでの経験上入場料の高さの割に大きな感動を得られないので,今回はやめることに.なお旧街道は,著名なCecillia Metellaの墓(サイロみたいな形をしたやつ)の先は,進入禁止(一方通行)となっていて折り返さなければならない.

折り返したついでに,ローマの七大バジリカの一つであるSan Sebastiano聖堂に立ち寄ってみた.外観も内装も取り立てて素晴らしいものではない至って普通の聖堂だが,一時,イエス・キリストの使徒パウロとペテロがこの地に埋葬されていたのだそうだ.それで七大バジリカの一つなのかな?

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