2010年12月19日日曜日

ローマで教会廻り(7):美術館としての教会

ローマにある教会はたぶんその全てがカトリックである.少し聞きかじったところでは,カトリックは神の存在を偶像化しても構わないそうなのだが,プロテスタントは一切ダメなのだそうだ.教会にある数々の美術作品は,キリシタンではない私から見たら単なる美術品であるが,カトリック教徒から見ればこれらは神の代理の存在なのかも知れない.ローマがプロテスタントだったら,教会の外観や内装は地味となり,教会廻りはたいそうつまらなかったことだろう.まあ,そうだったら観光ガイドにも掲載されないのであるが.

教会本体としては特徴があるわけではないが,少数ながら著名な美術品を収蔵する教会は多い.Gesu教会の次にそのような教会を二つ訪れた.まずはSant'Andrea delle Fratte教会.この教会はスペイン階段にほど近い位置にあり,Gesu教会からVenezia広場,Corso通り,Treviの泉を経由して徒歩で向かう.ここにはベルニーニの天使像がある.このコピーはSant'Angelo城正面手前のテベレ川に架かる橋の上に設置されている.あいにく内部が修復工事中であるので,片方はよく見えない.それにしても彼の作品は素直に素晴らしいと思う.

ここからNavona広場方面に戻ることにした.レストランの予約時間まではまだ二つくらいは立ち寄れそうであったので,次にカラヴァッジョの三部作があるSan Luigi dei Francesi教会に向かうが,何かをやっていて残念ながら中に入れない.仕方ないので,そのそばのSant'Agostino教会に向かう.ここも中では何か儀式をやっていたのだが,入ることが出来た.ここにもカラヴァッジョの作品がある.例によってあの暗い背景に青白く見える人の組み合わせで暗い屈折した感じなのだが,なぜかこれに惹かれるのだ.その他,ラファエロのフレスコ画などもあり,ちょっとした美術館として15分も立ち寄ればいい.ちなみに,ここも内部は修復中であった.本当にローマの歴史遺産保護は大変そうである.

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