2010年7月12日月曜日

公共交通の大規模ストを経験する

この土日に投稿をサボった(旅行してました)ので,今日はもう一つ,やはり交通関係で.

先週金曜日に,ローマで公共交通の大規模なストがあった.ATACのホームページで事前に公表されていた予定では,朝8時半から終日,地下鉄とトラムとバスの運行を停止するというものだ.夕方のピーク時間帯には一時的に運行を再開するらしい.それにしても,確か6月末にも半日くらいストをしていたような気がするが,「またやるのか!」という印象だ.

朝,いつものように子供達を学校に送ってから,Trastevere駅までバスで向かう.ここまでは問題なし.駅に着くと3番のバスは全部"DEPOSITO(回送)"になっている.やはり8時半を過ぎるとダメなのか.密かに期待していた8番のトラムは動いていないようだ.

そこで,FSでTermini駅に向かうことを試みる.9時ちょうどにTermini行きが来る.これはラッキーだ.「FSは動いているのか...」と思ったが,どうやら甘かった.次の駅のOstienseでは少し歩くが地下鉄B線に乗り換えることができる.地下鉄は動いていないと予想し,そのまま乗り続けるが一向に発車しない.10分後に発車し,次の駅Tuscolanaに到着.ここは少し歩いて地下鉄A線に接続.ここでも下車せずに列車内で待機.15分後に出発.予定よりも30分遅れでTermini駅に到着だ.ここからオフィスまでは20分の徒歩(下り坂)で辿り着く.

問題はこの後.この日は昼に会食の約束があったが,地下鉄(完全に入口を封鎖している状態)とバスが全然動いていないため,あえなく中止.タクシーもつかまるはずはなく,つかまったとしても街路は大渋滞だ.一度オフィスを出てしまったし,夕方はとんでもない混雑が想像されたから,そのまま帰宅することにした.

Termini駅まで歩き,再びFSにかける.掲示では30分遅れ程度で運行しているように見えた.ここからTrastevereを通るCivitavecchia行のローカル列車の発車を座席で待つ.もちろん予定時刻になっても発車しない.20分くらいして駅員が乗り込んできて,「この列車は運休だから外に出て」と言い出す始末だ.次のCivitavecchia行は別のホームに待機していたので,そちらに乗り換え,さらに待つこと50分,ようやく発車する.

Trastevereまでは順調に運行し,今度はバスが動いているかが勝負だ.案の定タクシーは全部出払っている.「徒歩で帰るか...」とあきらめかけていたときに,何とバスが駅広に入ってくるではないか! たぶん間引いて運行はしていたのだと思う.その後はトラブルなく無事自宅に到着.それでも,オフィスを出てから既に3時間近く経過していた.

それにしても,市民はストに対して非常に寛大で,あたかもそこら中にある「空気」のようにさえ感じているかもしれない.もしストに対して市民が猛烈に怒り,スト撲滅のための何らかの社会運動のようなものが起これば,関係者はストを回避するように努力するのだろうが,全く期待できないようだ.ストは正当な労働者の権利としてもちろん重要であることは認めるが,このような緊張感のなさでは,単なるお祭りに過ぎないのではないか?

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