ローマでは,バスを降りる時に,停留所に着く前までにドアの近くに行かなければならないらしい.ほとんどの人がそうしているし,バスによってはドアの近くに行かないと停車要求ブザーが押せないものもある.私も一つ手前の停留所の段階で,ドアの近くにアプローチするようにしている.
恐らく,停留所での停車時間を短くするために,自然発生的に生じたルールなのだと思う.日本と比べると何しろ停留所間隔が短い.停留所2つ分くらいで降りていくようなチョイノリの乗客が結構多い(そのくらいは歩いた方が健康によいのではと考えてしまう).早朝や夜遅くでない限り,ほぼ全停留所に停まるような感覚だ.だから,距離の割に時間がかかる.日本人学校近くの停留所からTrastevere駅まで6kmくらいで30分近くかかる.
車内が混雑している時は,ドアの近くまでアプローチするのは大変だ.それでも,Permesso?と言いながら進むとみんな避けてくれる.運転は加減速が激しいので,お年寄りや身障者が走行中に歩いているのをみるとハラハラする.でも転倒事故は起きない.
このルール,言い換えればバスの所要時間短縮に乗客みんなが主体的に協力していることになる.何と素晴らしいことだ.
日本では「危ないですからバスが完全に停止してから席をお立ち下さい」とのアナウンスが流れる.何より「乗客の安全」が優先だ(本音ではバス会社の保身が重要).高齢者の方はこれを文字通り実践するので,停留所での停車時間が長くなりがちである.運転手は,乗客が車内で転倒しないように,加減速をソフトにするように指導されている.日本に帰ってバスに乗ったら,イライラしそうな気がして怖い.
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