2010年6月11日金曜日

ついにNulla Ostaを手にした!(1)

さて,懸案のビザ問題である.あれからどうなったか,気になっている人もいるだろう.ビザや滞在許可証の申請は,イタリア滞在を志す者にとっては誰もる通る険しい道のりだ.何が必要なのか,どういうトラブルがあるのか,といった経験談がインターネット上で確認できる.これまで,これらを十分に参考にさせて頂いた.私もこれまでのプロセスを記録として残し,続く人たちに参考情報を提供したい.

今年の1月下旬にイタリア大使館を訪れて,滞在ビザ申請のために何が必要かを確認,日本人職員から「受け入れ機関(SURと呼ぶ)にSportello Unico per l'Immigrazione(SUI)」に労働許可証を申請するようにお願いして下さい」と言われる.「別にSURが費用を出してくれる訳でもないのになんで?」と思ったのだが,仕方ないのでSURにその通りメールで依頼したのがファーストアクション.

その後,いつまで経ってもSURから許可証(Nulla Osta)が発行されたという連絡がない.催促しても,「思ったより大変だ」というリアクション.4月1日の渡航を決めていたので,3月下旬に再度大使館に相談した.「サバティカルなら就学ビザの申請もトライしてみましょう」とのことで,急遽SURに「単に家族で滞在する研究者を受け入れます.彼らの住居も決まっています.収入が発生するような業務は一切させません」という内容の宣誓書をSURの代表者に作ってもらう.住居の大家からも身分証明書のコピーと受け入れ証明をもらう.大学からも在職証明(収入情報入り)を発行してもらう.これらの準備を数日で行い,渡航を4月6日に延期して,3月29日に家族揃って大使館に出頭し,就学ビザを申請し,一旦は受理されたのだった.

しかし,翌日の午後に日本人職員から耳を疑うような連絡が携帯に入る.「やっぱりビザを出すことは出来ないので取り下げ申請をして欲しい」と言われる.理由を尋ねてもはっきりした答えは帰ってこない.「最近法律が変わって,このやり方が駄目になった.大使も『このケースはかわいそうだけど却下ですね』と言っていました」らしい.

仕方ないので取り下げ申請をして,パスポートを受け取る.するとパスポートのある頁にビザ申請中であることを示す印がある.「入国審査でこれを見た係員が何か言うかも知れないのできちんと説明して」と言うではないか.思わず,「勝手に押しておいてその言いぐさは何だ」と怒鳴る.怒鳴っても仕方ないのは分かっているが,そうせざるを得なかった.

いずれにしても渡航の再延長はあり得なかったので,強行出発した.後はローマで何とかなることを願いながら.続きは次回.

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