こちらの生活を結構楽しんでつもりである.それでも,いくつか心配事がある.依然として滞在許可を求めるための必要条件であるnulla ostaがまだ下りていないようだ.「まあ,そのうち下りるさ」とは思うのだが,やっぱり心がやや落ち着かない.
もうひとつやきもきしていることがあった.なかなか届かないEMSである.出国前に自宅近くの郵便局から段ボール箱で3箱発送しておいた.飛行機に持ち込む荷物の総重量を制限内に収めるために,バッグの数を減らすために,体積の割に重い書籍やモバイルプリンターと軽い割に体積の大きい靴を別送としたのだった.価格は重量で決まるのだが,総額6万円弱.確か合計で40kgくらいあったと思う.搭乗時に追加料金を取られるよりはまあ安いだろう.
EMSで送る前に,きちんとイタリアには送れるのか郵便局で直接確認した.「中身のリストを付けなくても大丈夫ですよ」とのこと.ネットの書き込みでは様々なトラブルが報告されているが,引き受け元がそう言っているのだし,安心して送り出した.
EMSは番号を入力すれば現在地を確認できる仕組みになっているので,非常にありがたい.発送後3日で早くもミラノに到着,早速中身のチェックに入っているようだ.まあ1週間程度で届くかなと思った.しかし,ここからが本当の戦いの始まり.
最初の問題は,実は事前に聞いていた住所の地番が違っていたこと.これは正直参った.日本人会の早とちり.さすがに悪いと思われたのか,配送先を正しい住所に替えてもらうようにイタリア語で電話を入れてくれる(英語が全く通じないからホント助かる).
ミラノから間違った住所のままで,奇跡的に封書が届く.中身を確認すると,イタリア語で何か書いてあるが,税関関係の書類であることは推測できる.個人使用のために送ったもの,しかもほとんどのものが使用済であるにも関わらず,輸入品扱いされている.伝票に中身の購入時の価格を正直に書いておいたのがまずかったらしい.5時間くらいかけて,イタリア語の文法書と辞書を使って翻訳開始.結果,「発送した商品の数量と価格(それが完全に証明できる添付書類を含む)を正しく申告するように,1週間以内に返答がなければ発送元に送り返す」と書いてあるではないか.「何もかも適当にやっているイタリアが何と厳密なことを言うのか!」といらだちを覚える.しかも紆余曲折を経て封書が届いているので,期限を過ぎている.検索からも消えている!
慌てて日本人会に相談する.「まあ,タテマエでこう言ってますが,ホンネではどうでもいいんですよ」との日本でよく聞くようなことをおっしゃる.「連絡しておきます」ということでお任せすると,翌日には再度検索できるようになっている.15万円と書いてしまった総額も「まあ4万円くらいにしておきましょう」とのことで,「使用済の個人利用のもの」という言い訳をイタリア語で記入して,FAXを送った.
その数日後,プロセスが動き始める.「究極のプロセス」と銘打たれ,あっという間に税関を通過,あれよあれよという間に配送されてきた.「中身を抜かれる」との書き込みがあったが,どうやら欠損はなかったようだ.面白いのは,同時に送った3箱のうち,1箱だけミラノからローマに早々に転送されているのだ.実はこの1箱がもっとも輸入品らしかったのであるが,なぜミラノの税関をノーチェックで通過したのであろうか? 謎である.参考までに,PosteItalianeのEMS検索サイトの最終結果を載せておく.908がミラノチーム,854がローマチーム.
しかし,最も許し難いのは,このような事例をたくさん聞いているはずの日本郵政が,何の躊躇もなくイタリア向けEMSを受け付けていることだ.一応トラブルが多いとは書いてある.しかし,別のサイトでは5日程度で届くとも書いてある.再官営化などというくだらない議論の前に,もっとやることがある.このような事実に対してきちんとした対応をして欲しい.
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