2010年4月18日日曜日

再び日本人の内向き指向について

昨日は息子達が通う日本人学校の参観日だった.この日にあわせて何かしらの課題について発表させるように仕組まれている.4年生の長男は,名前歌(氏名をひらがな読みしたときの文字を文頭に使って自己紹介文を作る)と名前の由来を発表することが課題,1年生の次男は教科書のある部分を壇上で大きな声で音読することが課題であった.生徒の評価を厳密にしなければならない教員である私もやはり人の子,彼らが上手にやってくれれば自然と目尻が下がるし,そうでなければ心配になるし,「しっかりやれ!」と心の中で叫んでいる.

1時間目の授業を見学した後には,クラス(=学年)に分かれて担任と親との学級懇談会,その後は全校での学校懇談会という流れであった.学級懇談会では,家内と分担しなければならなかったので,私は長男を担当.親6人と担任(女性)の中で,男は私だけ.他の父親はどうしたんだ? と思ったが,気楽な大学稼業で勝手にローマに来ている私と違って,企業の方々はみんな忙しいのだろう.

さて,今日書きたいのはこんなことではない.学校懇談会で考えさせられる事実を聞いた.日本人学校へは昨年度までは10名の派遣だったのが,今年度から1名減らされたということだった.校長先生はクラスを受け持つわけにはいかないので,中学2年と3年は一人の教諭で受け持っている状況だ.一人でも欠けたらとたんに様々なことが回らなくなるから,教諭もものすごいプレッシャーだろう.

問題は1名派遣が減った原因のことだ.私はてっきり日本政府がコスト削減を目的に派遣を渋っているのかと思った.私自身も今回のローマ滞在が昨年末の日本政府の事業仕分けで頓挫しかけた経験を持つ.「また政府が短期的発想でものごとを考えてるな」と.しかし事実は異なるよう.派遣を希望する教諭の数が減ってきているのだそうだ.文科省が認定する海外の日本人学校は90弱あるのだそうで,今年度の応募は定数よりも100名以上足りなかったのだそうだ.すなわち,どこでも最低1名減らさざるを得なかったらしい.

近年とみに日本人の内向き指向が指摘されている.その一例として,日本人の留学がだんだん少なくなっていると聞く.若者を中心に海外旅行者数も減っているようだ.日本は資源が少ないし,人口も減少してくるから,海外からヒトやモノを調達しなければならない.海外から目を背けることができない運命を持っている.内向き指向を外向き指向に変えていくのに,みんなで努力しなければならない.

それなのに,今の民主党政権は非常に内向きで困る.基地の問題も非常に稚拙であることは言うまでもない(海外にいると大変恥ずかしい)が,またまた復活してきた郵政の話なんて非常にくだらない.官か民かは国民からみればどちらでもいい.きちんと運営してくれれば.私事だが,今回EMSでとんでもない目にあいそうである(この顛末は客観的には面白いことになりそうなので確定してから後日改めて).マクロな議論にかまけていて,通常サービスがおろそかになっている気がする.

それにしても,日本人学校への教諭派遣にも内向き指向の影響があるのだと感じた日であった.

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