2010年4月15日木曜日

意外にもバスが強力

今日で滞在10日目である(まだそれだけしか経ってないのか...).これまで,学校の送り迎えに,職場への出勤に,買い物に,様々な目的でバスを多用してきた.わずか1週間程度で評価するのは早計だが,このバス,思ったより強力な移動手段であるみたいだ.

恥ずかしながら,交通を専門としている割にバスにあまり乗らない.首都圏で駅から徒歩圏内に住んでいると,敢えて乗らない限りほとんど利用機会がないからだ.でも,学生時代はバス通学でとんでもなくつらい思いをした.原体験が良くないから,その評価は総じて辛辣になる.時間通りにこない,所要時間が読めない,乗り心地が悪い,等々.

ローマのバスには全て系統番号がついている.これが素晴らしい.日本だって付いてるじゃないかって? でも漢字と数字の組み合わせでしょ,外国人には分からないよね.バスがどの営業所か,どの会社かなんて利用者には全く関係ない.数字は万国共通です!

書店でバスやトラムの路線が示されている地図を購入した.地図を見ていると,市内を縦横無尽に走っている様子が簡単に見て取れる.バスを2回乗り換えれば,市内の大抵のところには行けると思う.

運賃はどうか? 1回券(Biglietto Integrato a Tempo: BIT)は1ユーロで,パンチしてから75分間有効で,メトロとFS(近郊鉄道)以外は75分間なら乗り放題である.ちなみにメトロとFSでは,BITは1トリップだけ有効のようだ.

頻度はどうか? これまでに,目的の系統が来るまでの最大待ち時間は20分(今朝!)であり,通常は10分以内にはやってくる.大体1時間当たり4~10本と考えておけばいいだろう. なお,時刻表は存在しない.バス停には始発と最終の時刻が書いてあるだけだ.

日本のバスのように運賃箱や整理券はない.検札もない.車内でセルフで切符にパンチするだけである.しかし,たまに係員がチェックしていて,有効な切符を持ってないと多額の罰金を払わなければならないのだそうだ.「客はすべからく運賃をごまかす」という性悪説に基づいて運賃を収受するのに多額の投資をするよりも,「普通の人はきちんと運賃を払う」という性善説に基づいて運賃収受を簡素化し悪い奴から高額の罰金を取る戦略を取っているのだ.この方が気分がいいに決まっている.日本はバスもそうだし,鉄道,ETCに至るまで,きっちり運賃を収受するという発想に立ちすぎていてうんざりする(まあ交通事業者の経営上の理由もあるので文句は言えないが).ちなみに,今日現在でまだ係員にお目にかかっていない.いつお目にかかれるのだろうか?


最後に,現時点までのローマのバスの評価(後日変わり得ます).基本的に便利,以上.欠点はとりあえず2つ.運転が粗暴すぎやしませんか? 車酔いにご心配の方はご注意下さい. バス停に人が立ってたら一応停車しませんか(きちんと手を挙げないと止まってくれない)? 渋滞がひどくて所要時間が全く読めないという問題もあるが,どうせみんな時間通りにこないから...

バスの状況については,きちんと調べた上で,改めて多角的に論じて見たい.

2 件のコメント:

  1. 初コメです!
    道でデモや何かあると、何も言わずバスルートを変えます!
    ここで降りてーとわけのわからない場所で下ろされたことも。
    一度だけ検札のおっちゃん見ましたよ。結構ドキドキでしたが、私は定期だったので気が楽でした。

    バスはかなり駆使しました(朝の乗継は走る!座れるルートを研究しました)ので、帰国後の今も結構バス使ってます。最近は時間通りですよ~割と。

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  2. まだ10日ですからねぇ.これからいろんなことがあるのでしょう.それにしてもあの渋滞には早くも辟易.こちらの交通の研究者は何してるんだろう.

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