2010年4月13日火曜日

少人数クラスの教育効果について考える

到着3日目の4月8日,子供達は早くも小学校が始まる.ローマの日本人学校は文部科学省の認可校であり,小学部と中学部を併設し,カリキュラムとスケジュールは日本とほぼ同等である.場所はCasetta Matteiというローマ南西部である.自宅からはバスを使って15~20分程度で到着する.さすがに小学4年と1年だけで行かせるわけにはいかないので,父親の私が朝の送りを担当して,そのまま職場へ(まだ出勤していないのであくまで予定).夕方の迎えは母親が担当することになるだろう.「送り迎えに車が絶対必要だろう」と思っていたが,バスはどんなに待っても10分以内には来るし,渋滞もないみたいなので,まあバスでも問題ないだろう.

9時から日本人学校の始業式,入学式に参加した.先生方や生徒さんたちはしっかりしている.代表で話をした生徒さんは「これが小学2年生か?」といったような素晴らしい歓迎の挨拶をする.すれ違えばみんなきちんと「おはようございます」と自然に挨拶をする.一方,我が子はまだこのような気風に慣れていないのか,挨拶は全然ぎこちない.子供達は基本的に人見知りなものだから,挨拶ができなくても仕方ないかと日頃思っていたが...この違いはなんだろうか?

まだ仮説に過ぎないが,1クラスに5人程度しかいないという状況が,各自にある種の責任感を植え付けているのかもしれない.全校生徒が40人という小所帯が,先輩・後輩という関係を際立たせているのかもしれない.ある中学部の生徒さんが小学部の子達の些細なケンカを上手にコントロールしているのを見た.子供達の行く末が非常に頼もしい.

教諭は一部を除き3年間日本から派遣されてくるようだ.恐らく希望を出して,何らかの選抜を受けて派遣されるのであろう.彼らの出身地が配布されたプリントに書いてあったが,どちらかと言えば地方からが多く,大都市圏は少数派だ.長男の担任は青森県からの派遣で,前任地の小学校でも総勢数十人という規模だったとおっしゃっていた.一方,大都市圏の小学校では1クラス30人程度が標準的である.小規模クラスの教育に対する慣れが教員の出身地分布に影響しているような気がする.

このように書いてきたが,少人数クラスだから全てがいいのだというつもりは毛頭ない.大都市圏では現実問題としてそんなに教諭の数を増やせないし,地方部では意図的に少人数クラスになっているわけではない.少人数クラスでは相互の付き合いが限定されるといったデメリットもある.しかし,少人数クラスのメリットを十二分に活用できるように運用すれば,自覚を持った立派な生徒を生み出す原動力となるのだと感じた朝であった.

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