2010年10月5日火曜日

イタリアで初めて高速鉄道に乗る

こちらに来てからもう半年になるが,今までイタリアの高速鉄道に乗っていなかった.8月上旬に車を持つまでは,ベネチアとドロミテを除いて,ローマから150kmくらいまでの範囲内をレンタカーで動き回っていた.車を持ってからシチリアに行ったのは既に書いたとおり.先日のナポリとシチリア出張もレンタカーと飛行機だ.

先週末に日本から親族が来伊し,この週末でさっそくFirenzeに連れて行くことになった.大人数ではマイカーで動くことが出来ない.FirenzeはRomaから300kmくらいなので鉄道の距離だ.高速鉄道なら1時間半くらいである.と言うわけで,高速鉄道を使うことになった.

Termini駅の切符販売カウンターはいつもものすごく混んでいて,とても並ぶ気はしない.しかし,最近はインターネットでチケットを購入することができる.イタリア国鉄FSのホームページで会員登録をすれば誰でも購入可能.英語ページもあるので,イタリア語が分からなくてもOKだ.座席指定もできる.早めに購入したり,団体で購入したりすれば割引もある.購入手続き後,返送されてくるチケットをプリントアウトして持参するだけで,刻印の必要もない.大変便利だ.

この高速鉄道,グレーを基調に赤いラインが入っている見かけはスタイリッシュなものだ.乗車した2等車は横4列(ちなみに1等車は横3列)で,シートピッチは日本の新幹線よりはだいぶ狭い感じがする.インテリアはやや安っぽい内装だが明るい印象だ.トイレは駅のものよりは清潔だろうか.座席のリクライニングは背もたれを倒す方式ではなく,椅子の部分を前方にスライドさせる方式なので,対面式配列ということを考えると,実質的に使えないと思った方が良い.

8時45分の定刻から数分遅れて出発.10分くらいするとRoma市街を抜け,線形も良くなってだいぶスピードが出てくる.Roma側では在来線と供用(普通列車とすれ違っていたので),Firenze側はほとんど新線区間というような印象だ.保線レベルはよく分からないが,特にRoma側の乗り心地がかなり悪かった.車両側のサスペンションの質があまり高くないのだろう.トップスピードは200km/hは出ているが,250km/hまでは出ていないような感覚だ.

遅れて出発した列車は10時20分頃,ほぼ定刻でFirenze S. M. N駅にノンストップ到着.15分くらい停車して折り返していき,Venezia S. L.駅に向かう.帰りも定刻出発,定刻到着だったので,割と正確に動いているようだ.

たった一往復の経験だが,私の総合評価は2時間くらいまでならまあ我慢できるといったところだ.すなわち,Napoli, Firenze, Bolognaくらいまでは高速鉄道で,それより遠いVeneziaやMilanoは飛行機でといった使い分けになる.

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