2010年11月10日水曜日

美しい死者の町Tarquinia

10月初旬にフィレンツェに行った後は,仕事が急速に忙しくなってきたのと,週末の天気が芳しくなかったこともあり,あまり観光してなかった.ローマ滞在も残すところ4ヶ月強になってしまい,まだまだ行っていないところがたくさんあるので,せっせと観光しないともったいない.

この前の土曜日は朝から久しぶりの快晴であった.仕事がたくさんあったのだが,居ても立ってもいられなくなり,近場に観光に出かけることにした.向かった場所はTarquiniaである.RomaからCivitavecchiaを通り過ぎた先にある.自宅からだいたい100kmくらいだ.高速道路が混んでいなければ1時間もあれば到着する.

Tarquiniaは,中世の風情を感じることが出来る,よくある小さい街だ.ご多分に漏れず,丘の上に展開しているので,平坦な場所は少ない.住むことになるとすぐに飽きてしまうのだろうが,観光客としてそぞろ歩きをしている限りではこんなにいいところはない.

街の中心はMatteotti広場で,その北側にロマネスク様式やゴシック様式の教会が展開する.周辺の街並みもそれらにマッチしていて古びているが美しい.この広場北側の街区では駐車車両を余り見なかったので,厳しく規制されているのかもしれない.中世の街並みに自動車は似合わない.

広場から西に向かうとVitelleschi宮があり,その中にTarquinia博物館がある.この建物は教会よりは華やかさがあるので,たぶんルネッサンス様式だろう.この博物館は古代エトルリア文化の棺桶,石像,黒・赤ベースの色彩豊かな壺が,次第に飽きてくるくらい豊富に展示されている.

Tarquiniaは次回紹介するNecropoliが有名で,そのために死者の町と言われているそうだ.確かに博物館の棺桶の芸術性は見事であった.土曜日だったこともあるが,人通りも少なく大変静かな街だったように思う.死者の魂とともにひっそりと暮らしているのだろうか.

0 件のコメント:

コメントを投稿