車を旧市街北東側に移動して,Castello近くの道路に路駐する.青線が引かれてあったので有料なのだが,肝心のパーキングメーターは壊れていて使えないので,実質無料だ.さっそくCastelloに向かう.堀に囲まれた四角い城で,Google Mapの航空写真で確認できる,均整の取れた美しい形そのものだ.残念ながら人が全くいなかったので,外観を見ただけで立ち去ることに.
いよいよ旧市街へと歩を進める.すると,地震で壊れたまま復旧がほとんど進んでいない旧市街がとたんに目に入る.多くの街路は柵で封鎖されている.建物も一部で櫓が組まれているが,土曜日だったこともあるのか,修復作業が全く行われていない.観光客が数組,要所で監視する警備員,一部開いているBarの店員以外は誰もいない.恐らく全住民が避難を続けている状況なのだろう.やはり,350名も尊い命が奪われた大地震なのだ.
次の目的地をSan Bernardino聖堂に決める.この聖堂の美しいファサードは,薄い平板のような構造物なのに奇跡的に生き残っている.その奥の聖堂のドーム空間は櫓が組まれていたので,大きな被害が出たのだろう.もちろん内部へのアクセスは出来ない状態だ.ファサードが拝めただけでも御の字だ.
次に市庁舎に向かおうとするが,そのアクセス道路は封鎖されている.仕方ないので中心のDuomo
広場を目指す.その途中で,開いていたBarに立ち寄る.こんな状況では,まともに稼げないだろうが,我々みたいな物好き観光客のために仕方なく開けているのだろう.本当に頭が下がる.
Barを出てCorso Vittorio Emanuereを南に進む.名前から判断するとこれが旧市街随一の目抜き通りだろう.L'aquila大学や役所も沿道にあったのだが,全て閉鎖されている.その前には,柵に通りの名称が書いてある紙がたくさん貼られている.想像するに,復旧が完了した通りから,その紙を剥がしてくのだろう.長い間貼られているようで色あせている.あぁ,全部剥がされるのはいつの日になるのか...
そこを通り過ぎるとDuomo広場に到着.我々を含めて二組の観光客しかいない.足を引きずっている犬が徘徊している.その目はやはりもの悲しい.ここに隣接するきれいな建物も,もはや近くに行って写真を撮る気にもならず,車に戻ることに.続きは次回.
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