この4日ほどブログを更新していなかった.理由は,この週末にウィーンに3泊の旅行に出かけていたからである.ローマに滞在し始めてから初めて家族揃ってイタリア国外に出たのだった.
今日現在,依然として滞在許可証が取れていない.それでも私は何度も入国できるビザを持っているからまだいい.家内は申請自体がまだ受け付けられていない.この場合,法律上はイタリアから出国することはできないのだが,ウィーン行きの飛行機に乗る時にパスポートコントロールがないので,シェンゲン条約締結国相互の行き来には,この法律は実質的に意味がない.
ウィーンのホテルにチェックインする時,私のパスポート番号だけをゲストカードに記入しただけで,コピーすら取られなかったことには正直驚いた.ウィーンカードという,3日間公共交通乗り放題と,いくつかの観光施設で入場料割引の特典が付いたカードの購入にも,パスポート情報は一切必要ないのだ.
一方,我がイタリアでは,単なる観光客であっても,形式上滞在許可を申請しなければならないのである.ホテルは端末からゲストの情報を警察に提出しなければならないようだ.ホテルでなく,短期滞在者を引き受けるアパートの大家も然り.これに違反するとどんな罰則があるかは不明だが,聞くところによれば結構厳しいらしい.当局に,これらのデータを管理する能力がないと信じているのだが,それにしてもいつでも居場所を監視されている気がして,気持ちいいものではない.ウィーンでは,何か監視の目から一時的に逃れられた気がして,少しうれしかった.
オーストリア在住の知人に聞いたところによると,オーストリアでは観光ビザで入国してから,いくつかの手続きを経て,滞在許可が出るのだそうだ.もちろん,厳しい審査があると思うが,イタリアのようにいたずらに時を過ごすことなく,理不尽な理由でプロセスを引き延ばされることなく,数ヶ月オーダーで決着するのだろう.
オーストリアも旧東欧にもっとも近い位置にあり,イタリアと同様に歴史的に不法移民の問題には頭を痛めてきたはずだ.それでも,彼らが外国人を見た時に,内心は分からないが,基本的にやさしくフレンドリーな態度を取ってくれていると感じる(今回を含め三度の訪問だけでの印象であるが).イタリア,特にローマでの,外国人に対する冷たい目線と態度に十分に慣れた身としては,そのような態度が何か大変新鮮な物を感じたのであった.
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