通訳してくれる女性を通じて,「申請書類が到着していないのだが,どうしたらいい?」と尋ねる.すると,「書類のオリジナルは?」と言うではないか.「えっ,送った書類がオリジナルじゃないの?」と答えたが,「オリジナルを見せてくれ」と言われる.
弁護士に依頼して郵便局での申請にこぎ着けたことは先に書いたとおりだ.その時に「念のため」といって申請書類のコピーはもらっておいた.私の申請の時は自分でやったこともあり,申請書類のコピーなど取っていなかった.それでも申請書類はきちんと届いており,コピーなど持参しなくても問題なかった.
そのためコピーは家に置いてきて,手元に持っていなかった.「郵便局での申請時に,申請書類のコピーを保存しろとはどこにも書いていなかった.だからコピーなんか持ってない」と言ってみる.確かに持参すべき書類に申請書類のコピーと書いてあるが,これは申請書が受領されて,出頭書を受け取って初めて知るものだ.
すると,「再出頭の日時を指定しますので,また来て下さい」ということになった.その直前の「郵便局がなくしたんでしょう」という発言に,思わずブチッと来た.「そんな大事な書類がどうして簡単になくなるんだ!」,「忙しいのにまた来いというのか!」,「申請書類を揃えるのにどれだけ苦労したと思ってるんだ!」と口走っていた.こんなことを言われても審査員も困るだけだろうが,もう止まらなかった.「もういい,行こう!」と捨て台詞を吐いて,審査会場を後にしたのだった.途中で壁に八つ当たりの蹴りも入れている(笑).
それにしても,滞在許可の審査に行った時に送ったはずの申請書類が届いていなかったというトラブルは,先達のブログでもいくつか紹介されていた.これが自分の身に降りかかるとは...
滞在許可申請は,そのプロセスの利便性を高め,かつ効率性を高めるために郵便局での申請システムとなっているはずなのだ.しかし,このように信頼性の低い郵便局が介在することが果たしていいことなのか.Questuraに届いているのに彼らが紛失した可能性もある.私は一年しかいないし,永住するつもりもないからそんなに深刻ではないが,多くの申請者はイタリアで生きていこうと滞在許可に人生をかけて望んでいる.そんな彼らにとっては,冗談では済まされない.
0 件のコメント:
コメントを投稿