車に戻り,今度は旧市街の西にあるFontana delle 99 Cannelle(99の噴き出しの噴水)に向かうことにした.FSの駅から500メートル弱のところにあるのだが,駅からの道は一方通行に変更されていて,近づけない.仕方ないので駅前駐車場に車を置いて,歩いてアクセスする.ちなにみ駅舎も修復工事中である.
噴水に到着すると,ここも噴水など機能していない状態だ.本当は99個の異なる顔の彫刻の口から水が流れ出ているはずなのだ.もちろん噴水の周りの建物も,被害があったままで放置されている.もう壊れた建物はこれ以上見たくない.
地震後に,先進国からの復興支援を期待して,サミットの開催場所を無理矢理L'aquilaに変更したことは知っている.サミットが開かれたことがとても信じられないくらいの被害状況だ.一年半経ってもこの状態では,期待通りの支援が得られなかったのだろう.復旧には少なくとも十年オーダーの時が必要なのではないだろうか.復興はさらに時間がかかる.それにしても,役所関係の建物ですらほとんど復旧していないのは,さすがに「何をもたもたしているのか!」と憤りを感じざるを得ない.
情報が飛び交い,人々の移動の自由度が増した現在では,街がそのまま荒廃しないためには,何よりも復旧にスピード感と人々の強い意志が必要なのだ.今は,これまで何度地震に見舞われてもその都度復興してきた力を信じるしかない.
ちなみに,日本政府も復興支援にささやかに協力しているそうだ.そのうち,建築家の坂茂氏による「紙のコンサートホール」の建設現場(旧市街の外)を遠くから見てきたが,もう少しで完成しそうな状態だった.
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