2010年8月14日土曜日

やっぱり名だたる観光地のベネチア(3)

ベネチアは水の都なので,やはり水上のレジャーを少しは楽しまないともったいない.今回はせっかくリド島に泊まっているのでビーチで海水浴を経験してみた.バポレットで移動している時に見る運河や海の水はものすごく汚くて,これに入ることは全く想像できない.しかし,リド島は幸い外海であるアドリア海に接しているので,そちら側の海岸はホテルのプライベートビーチやパブリックビーチがたくさんある.

宿泊したホテルはプライベートビーチを持っていたのだが,キャパが余りなさそうなのと有料だったので,パブリックビーチに行くことにした.これはリド島のバポレットターミナルから歩いて10分程度のところにある.ホテルの部屋から外を眺めていると,毎日朝9時頃に,本島方面からバポレットでやってきて,徒歩やバスで海岸方面に向かう人が結構多いことに気がつく.「これではパブリックビーチは入れないのでは?」と心配になったが,実際に行ってみると,思ったよりは混んでいなかった.更衣室やシャワー施設も完備しており,海水も思ったよりきれいだったので,お薦めだ.

もう一つの水上レジャーは「ゴンドラ」だ.過去二回の来訪ではゴンドラに乗ったことがなかった.サンマルコ広場近くにはたくさんのゴンドラ乗り場があり,ゴンドリエーレ(操船する人)と料金交渉をして乗り込む.家族四人だったし,何よりトップシーズンなので,どのくらいの料金をふっかけてくるかが個人的興味.たくさんの中国人がゴンドラに乗っていて,彼らがどのくらいの料金をふっかけられているのかも気になるところだ.何人にも交渉するのは面倒なので二人目にお願いしてしまったが,「50分コースで200ユーロのところを120ユーロにしてあげる」とのことだった.チップを入れて130支払ったが,ガイドブックの情報では30~40分で80~100ユーロと書いてあるので,まあまあかな.

今回乗船したゴンドラは,料金交渉時に説明していたコースをきちんと通過し,英語でポイントを説明しれくれた.やはりトップシーズンらしく,細い運河ではゴンドラの渋滞が発生してしまうのには思わず苦笑い.さて,乗船中は暇だったので,ゴンドリエーレにゴンドラ産業の状況をヒアリングしてみた.ベネチアにゴンドラサービス会社が9社あり,全部で425艘のゴンドラがあるのだそうだ.恐らく,ゴンドリエーレはどこかの会社に所属しないと営業できないのだろう.次の興味は一日どのくらいの客が乗るのかであるが,「夏は一日4~5組くらいだが,もちろん冬はぜんぜんいない」との回答だ.儲けの半分を会社に差し出すと考えると,夏に月5,000ユーロくらい,年間では30,000ユーロくらいの収入というところだろうか.大変な仕事の割にあんまり収入がないように感じるが果たして? ゴンドリエーレは乗船中,「建築密度の割に人口は少ない.家賃と物価が高すぎてものすごく住みづらい」と言っていたし,観光客にとってはあこがれのベネチアも住むのにはハードルが高いようだ.

縁あってたまたま三回もベネチアに来ることになったが,普通は一回,三泊もすればベネチアは十分に堪能できると思う.混雑,費用,快適度の点からいって,そんなに満足度の高い観光地とは言えない.実はこういうところが「名だたる観光地」の証なのかもしれない.

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