2010年8月31日火曜日

プール付きホテルで優雅にバカンスを

8/17の午後にモンレアーレを出発して次の目的地Agrigentoに向かう.愛車クリオのカーナビにホテルの位置を設定する.いつも使っているbooking.comではホテルの緯度と経度が記載されていて,これをカーナビに入力するだけで目的地設定ができるので大変便利だ.ここイタリアでカーナビには基本的に助けてもらっているが,この時の移動では,途中で工事による通行止めに遭遇し,10kmくらい引き返す羽目になった.

お陰で,1時間半もあれば到着すると思っていたところ2時間以上かかってしまったが,それでもホテル到着は午後4時頃くらいだっただろうか.気温は35度以上はあり,日没まではまだまだ時間がある.Agrigentoのホテルは市内中心部に取らずに,神殿の谷(Valle dei Templi)の少し東に位置する集落内のプール付きのホテルを選択した.4人で一泊100ユーロ強ではなかっただろうか.結論から言うとこれは大正解.チェックイン後,早速無料のプールに入ってみるが,大変気持ちがいい.あまりの気持ちよさに2時間近くプールに入り浸ることに.

翌日は神殿の谷を観光するが(これは次回),あまりの暑さにAgrigentoの市街地の観光は全く無視して,午後は再びプールに入り浸ることにした.同じような行動をするグループが多いようで,夕方になるとプールが混雑している.

このホテルは残念ながら2泊だけだったが,あくせく観光しないでたまにはプールでのんびりと過ごすのも悪くないと思った.通常は貧乏性なので,つい時間を惜しんで観光スポットを巡ってしまうのだ.

神殿の谷から南に5kmくらい行ったところにSan Leoneというリゾート地があり,ここにはプライベートビーチやプル付きホテルが多数あるようだ.車がないと厳しいが,このようなホテルで優雅に過ごしながら,灼熱のシチリア観光をするのが賢い選択のようだ.

2010年8月30日月曜日

パレルモから足を伸ばすべきモンレアーレ

シチリア滞在2日目の午前はパレルモの2つの礼拝堂を見学し,次の滞在地Agrigentoに向かう.距離にして100km強で,高速道路ではないにしても,1時間半もあれば到着する距離だ.直行するのは何となくもったいない気がしたので,パレルモから南に10kmくらいにあるMonrealeに行くことにした.

モンレアーレはパレルモの王宮と同様に,アラブ=ノルマン様式のDuomo(教会)と王宮がセットになっている.街自体は山の斜面に展開しており,パレルモの街が遠くに見通せて,なかなかいい景色だ.崖下に大きな有料駐車場が整備されていて,路駐場所の心配しなくて良い.

まずは教会へ.内部はパレルモのCapella Palatinaのように金ぴかである.しかしその規模は遙かに大きい.その豪華さに思わず息をのむ.ちなみに入場は無料で,たいへんうれしい.

次に教会に隣接するChiostroに入る.こちらは一人6ユーロくらい必要だったと思ったが,結論から言うと見る価値はある.王宮内の正方形の中庭の周りに,いろいろな装飾が施された柱が取り囲んでいる.写真だと今ひとつの感があるが,実物は壮観である.パレルモの王宮の中庭よりは確実に感動する.

モンレアーレはこれだけ行けば十分だろう.以上で時間にして1時間強だ.レンタカーがあればパレルモからの往復で3時間もあればよい.是非足を伸ばしたいところだ.

2010年8月29日日曜日

見所があったシチリア最大都市パレルモ(2)


パレルモの見所は前回のアラブ=ノルマン様式の建築群だけでなく,バロック様式のものも充実しているようだ.パレルモの軸線であるVia Vittorio EmanueleとVia Maquedaが交差するQuattro Canti地区にバロックの傑作が数多く存在する.
Quattro Cantiは交差点の4つの角に展開する三階建てのバロック建築だ.4面で共通のファサードとなっていて,なかなかしゃれた交差点だ.ただ,交差点がそれほど大きくないので,見所の割には今ひとつインパクトがないように感じるかも知れないのが残念だ.そのそばのPretoria広場には見事な噴水があるのだが,(たまたまか?)水が出ていなかったので,これまた今ひとつの感があったが,Michelinの英語版シチリアガイドブックには夜のきれいな噴水の写真が載っているので,本当は夜に来るべきなのかも知れない.

このPretoria広場のそばにはLa Martorana教会とSan Cataldo教会がある.これらは近世のバロックではなく,ノルマン時代の12世紀の建築物だろう.内装も金ぴかではないものの,質素ながら色彩は豊かである.

滞在初日の見学はここまで.夜はホテルで紹介してもらったトラットリアでシーフード料理を堪能する.それにしてもシチリアではレストランがどんなに早くても夜8時からというのが一般的のようだ.子供連れには少々厳しい.オープン早々の8時に行っても,我々以外にはほとんど客がいない.それでも夜9時を廻る頃には結構な賑わいを見せている.そう,イタリア人は晩ご飯が遅いのだ.

翌日朝,2つの礼拝堂,Oratorio del Rosario di Santa CitaとOratorio del Rosario di San Domenicoを見に行くことにして,パレルモを後にすることにした.これらを含め周囲5つの教会群の共通チケット(一人5友ユーロくらいだったか?)を購入しなければならないが,チケットオフィスがこれまたイタリアらしく大変分かりづらい(苦笑).いずれも内壁と一体となっている彫刻群が大変素晴らしいので必見だ.

今回は時間の都合上,博物館系には足を運ばなかった.これらはいつかチャンスがあれば.

さて,ガイドブックの地図を見ていると,パレルモでは徒歩で見所を廻ることができそうな気がするのだが,実際は主要ポイントが結構離れている.そのため今回は車で廻ることにしたのであるが,問題は駐車場だ.ところどころ駐車禁止場所に堂々と止める勇気が必要となるかもしれない.公共駐車場には,こちらが頼みもしないのに勝手に誘導してちゃっかりチップを要求する不届き者がたくさんいます.

2010年8月28日土曜日

見所があったシチリア最大都市パレルモ(1)

パレルモはシチリア島の中で最も人口(約60万人)が多い.船から見た限りでは,規模は違うが,湾と両側を山で囲まれた天然の要害の鎌倉のような感じの地勢に見えなくもない.シチリアは紀元前6世紀くらいにギリシャの影響を受けて発展したが,その頃はギリシャから近い東部と南部が中心であったようだ.恐らくその後のローマ帝国時にパレルモを含む北部が発展しだしたのだろうと想像する.その後はアラブ,ノルマン,アラゴンの支配を受けてきたので,これらの影響を強く受けたギリシャ様式,アラブ=ノルマン様式,バロック様式の建築物がたくさん残っている.ギリシャやバロックはシチリア中にあるのだが,アラブ=ノルマン様式はたぶんパレルモとその近郊でしか見ることができないのではないだろうか.

ここパレルモでは一泊することになっていた.到着後,予約したホテルに向かう.しびホテルはかつて住居だった部分をホテルに転用したらしく,入口が分かりにくかった上に,建物入口とレセプション入口で鍵が掛かっているので呼び鈴を鳴らさなければならない.逆に言うとセキュリティーレベルは高い.治安の悪いと言われているここシチリアではこのくらいやらないと危険なのだろうかと思わず考えてしまったほどだ.使用予定の部屋の清掃が済んでいなかったので,荷物だけ預けて観光に繰り出す.ちなみに駐車場は前面道路に路駐を余儀なくされる.中央駅から近いのに人通りも少ない街路だったので,思わず車上荒らしにあってしまうのではと心配になったが,結果から言うとトラブルはなし.

まずは何と言ってもアラブ=ノルマン様式の王宮Palazzo dei Normanniと併設されている教会Cappella Palatinaだ.王宮は議会場となっているので,火曜から木曜は見られないようだ.それ以外は主要な部分をガイド付き(イタリア語のみ)で見ることができる.今回は月曜日だったのでもちろん見学可能だ.それでも,やはり感動するのは王宮よりは教会だ.金をふんだんに使ったモザイクの内装は,往事の支配力と経済力の強さを物語っている.キリシタンではないので,教会を見ても正直言えばそんなに感動しないのだが,ここは別格のようだ.

次に向かったのは王宮近くの教会San Giovanni degli Eremitiだ.教会自体は機能していないようで,修復工事中であったが,一人1.5ユーロくらだったと思うが,鐘楼に昇ることは出来る.そこからはこの教会独特の赤茶けたドーム群と王宮,パレルモ中心部の素晴らしい景色を眺めることが出来る.ここはお薦め.次はやはり王宮近くの教会Cattedraleに向かう.これは一転して白を基調とした内装で,金ぴかを見せられた後には何となくホッとする(笑)が,その大きさは結構圧倒される.ノルマン時代のパレルモは裕福だったのであろう.

続きは次回.


イタリアのフェリーを初体験(2)

さて,17時になりカウンターが開く.5番目くらいに並んでいたが,さくさくと進み自分の順番が回ってくる.インターネットチケットを見せると,「18時に車の積み込みを開始するから」とだけ英語で言われて,インターネットチケットをそのまま返却される.その後,他の乗客にも確認すると,インターネットチケットにバーコードかチケット番号が入っていれば,これがそのまま搭乗券になるということらしかった.ホント,Webにきちんと書いておいて欲しい.

17時半頃に桟橋のゲートが開く.入口ではインターネットチケットを見せるだけでOK.埠頭に指示通りに並んで乗船を待つ.係員がやってきてインターネットチケットを確認し,そこに部屋番号を直接書き込む.インターネットには車の船への運び込みはドライバーだけで,同乗者とは別々に乗船すると書いてあったのだが,これも違うようで,結局家族揃って車を乗船させることに.

車を止め,荷物を取り出していざ船室へ向かう.カバン数を減らすために大型のキャリーバッグにしたのだが,これが間違いで,駐車デッキからロビー階まで,エレベーターが使えず階段を昇らなければならない.いずれにしても6階のロビー階に到着し,今度はエレベータで船室のある9階に向かう.エレベーターホールで部屋の鍵を受け取り,いざ入室.部屋は狭いが,きちんとベッドが4つ入っている.窓がないのでやはり暗い感じがするが,どうせ一晩の辛抱だ.しかし空調がコントロールできず,半袖や短パンではものすごい寒い.乗船にはズボンと上着の着用が必要だ.

せっかくなので出航までに船内を見学する.土産物屋,Bar,リストランテ,遊興施設等,たった一泊にしてはもったいないくらいの施設の充実度だ.その後に屋上のデッキへ向かう.出航の様子を見ようとする人たちで既に混雑している.デッキから桟橋を見ると,船の大きさが一層よく分かる.これなら航行中そんなに揺れないだろう.18時50分頃,定刻より10分早く出航だ.出航してどんどん港や陸地から船が離れていく様子はなかなかにロマンチックだ.

ここまでくればリストランテで食事をして寝るだけだ.20時から船内のリストランテを予約し,食事を楽しむ.その後はパパ一人で屋上デッキのBarに向かい,ビールとつまみを片手にひとときを過ごす.22時にもなると屋上デッキはものすごく寒い.

翌朝,再び屋上デッキへ.心なしか湿気と暑さを感じる.カメラやビデオのレンズが曇る.これがシチリアの暑さか.到着予定時刻の9時を過ぎても港はまだ先に見える.結局40分遅れて到着,さすがにイタリアというところか.出船は非常にスムーズで,さっそうとPalermoの街に飛び出す.いよいよ楽しみにしていたシチリアドライブだ.

2010年8月26日木曜日

イタリアのフェリーを初体験(1)

今度はバカンス第二弾の話,行き先はシチリア島だ.シチリア島は最も近いところで本土から3kmしか離れていない.橋やトンネルでつなぎたくなる距離だが,南部イタリアは高速道路建設に忙しく,まだまだそれどころではないようだ.

車を入手したので,せっかくならこれをシチリア島に持ち込みたいところだ.そうなると手段はフェリーしかない.最も近い部分,Villa San GiovanniとMessinaの間には20~30分おきに運行されているフェリーで30分くらいで渡ることが出来る.しかしこのVilla San Giovanniはローマから800kmくらいの位置にあるので,せめて片道だけは長距離フェリーを使いたいと思い,どんな航路があるか,早速調べてみることに.

シチリア第一の都市PalermoにはNapoliなどから夜行フェリーが就航している.ローマから最も近い港はCivitavecchia(ローマ北西80km)で,夏期は一日一便就航しているようだ.8/15の19:00発のPalermo行のフェリーを予約することにした.予約はこの区間を手分けして運行しているSNAVかGrandi Navi Velociのホームページや,その他欧州内フェリーの予約サイトから簡単に行うことが出来る.英語での予約も可能だったはずだ.

就航しているフェリーは結構大型で,デッキ(ベンチなどに座る?),2等座席,1等座席,1等ツイン,1等四人部屋,スイートといったカテゴリーがある.ツインと四人部屋は窓の有無で値段が違う.我々は4人なので,窓無しの四人部屋にすることに.8/15のPalermo方向は既にオフピーク運賃扱いで,車一台と4人で330ユーロだった.四人部屋は二段ベッドが2つ入っていると思えばよい.トイレとシャワーは部屋に付いている.車も運ぶのだから,三つ星クラスのホテルくらいの価格だと思えばよい.

チケットはメールで送られてくる.インターネットでの説明では,「チケットを出力してチェックインカウンターに持参して搭乗券に替える,出港二時間前までに来るように」と書いてある.不安なので四時間くらい前に行ってみる.乗船予定のピアには既に10台くらいの車が来ている.私以外は全てイタリアナンバー.私よりは情報を持っているはずの彼らにとってもどこで待機していればいいのか,搭乗券を引き替えるカウンターはどこか,が分からないようで,私を含め何人かがピアにいた作業員に確認した結果を共有し,200mくらい離れたところにあったカウンターに向かう.

カウンターのオープンは17時.それまでぶらぶらしていたのだが,ふと車を止めていたところに状態を確認しに行くと,周りの車はほとんど後方に移動している.何人かに「Giaponeseがいた! 探してたよ」と言われ,彼らの指示で私も車を後方の待機場所に動かす.この辺のアレンジは係員ではなくドライバー同士が自然発生的に行っていて,これがなんともイタリアらしい.

17時,カウンターがついにオープンする.果たしてうまく言葉が通じて搭乗券を受け取ることができるだろうか.続きは次回.

2010年8月25日水曜日

ドロミテに素直に感動(3)

滞在4日目は朝からあいにくの雨.しかも結構な降り方だ.やっぱりヨーロッパの背骨に近い山岳地帯だけある.この日は天候次第でマウンテンバイクにでも挑戦してみようと思っていたのであるが,これを断念.バカンスらしく部屋でゆっくり過ごすことにした.と言うわけで何も書くことはない.

滞在5日目,夕方にベネチアからローマへのフライトに乗らなければならなかったので,午前中だけコルティナで過ごすことができる.この短い間に出来ることはロープウェーで標高の高いところを目指すことだけだ.

コルティナ近辺では,ロープウェーやリフトを乗り継げば2500m以上まで簡単に昇ることができる箇所がたくさんあるので,やはり素直に最高峰を目指すべきだろう.コルティナの西に位置するTofana山は3200m以上あり,たぶんドロミテで二番目に高い山だ.その山頂付近の山小屋まで三本のロープウェーを乗り継いで行くことが出来る.全部往復で乗ると大人20ユーロくらいだったと思う.6歳の次男は無料,長男は半額だっただろうか.それでも合計するとやはり高い.これに見合う景色が見られるかどうか.

山頂付近の山小屋へは乗継時間がほとんどなく20分もあればアクセスすることが出来る.この山小屋は標高3191mにある.日本で二番目に高い北岳(3193m)と三番目に高い穂高岳(3190m)のちょうど間の高さだ.こんな高さまで歩かずに昇ることができるのだ.朝11時半くらいだったか,気温は1度だ.

展望テラスから下界を眺める.天気は曇りで,時折雲が通過するとコルティナの街が視界から消え,雲が切れると再び美しい街が登場する.前日の雨はもちろんここでは雪だ.テラスには雪が積もっていて,あちこちに雪だるまが造られている.

山小屋にはBarがあり,みんなでホットチョコレート(パンナ付3.5ユーロ)を飲む.軽装ですっかり冷えた体が温まる.この熱を逃がさないように下界に降りたかったが,やはり足は展望テラスに向かってしまい,再び寒さと戦う.

麓の乗り場まではあっという間に到着,ここでコルティナ観光を終了し,ベネチア空港に向かう.4泊5日では半分ちょっとくらいの満喫度だろうか.それでも表題にあるように,素晴らしい景色に素直に感動できる場所だ.ドロミテはコルティナ以外にもたくさんの拠点と見所がある.機会があればまた訪れてみたいし,冬のスキーも体験してみたい.

2010年8月24日火曜日

ドロミテに素直に感動(2)

滞在二日目に,コルティナ中心部から車で30分くらい移動してCinque Torriという場所に向かう.Cinque Torriは”5本の塔”という意味だ.写真のように塔のような巨大な石灰岩が林立している.標高1700mくらいの乗り場からリフトに乗り,10分で標高2000mくらいの山小屋に到着,Cinque Torriはもう目の前だ.大人2名,子供2名の往復で30ユーロくらいだったろうか.まあまあの出費だが,その価値はある.

せっかくなのでCinque Torriに近づく.山小屋からは5分もかからないで麓到着する.Cinque Torriはロッククライミングの初級コースらしく,10人くらいが岩上りにトライしている.登頂したらさぞかし気持ちがいいんだろうと思う.我々は経験も装備もないし,何より小さい子供連れだ.ロッククライミングは彼らが大きくなって機会があればやってみようかな.

コルティナにはAdrenalin Parkというものがあり,子供達がロッククライミングのような装備を身につけてアスレチックコースにチャレンジすることができる.二日目の午後は子供達をここで遊ばせて終了.夜はホテルで紹介してもらった中心部のレストランにチャレンジしたが,味はいかにも観光地仕様,完全に期待を下回る.

滞在三日目は,もうちょっと運動しなければということでハイキングに挑戦する.場所はTre Cimeだ.Tre Cimeは3つの頂という意味になるだろうか.コルティナから車で40~50分くらいかかる場所にある.ハイキング自体はもちろんタダだが,MisurinaからTre Cimeへのアクセス道路で駐車場料金と通行料金として30ユーロを支払う必要がある.

標高2320mにある山小屋Auronzoからスタート,これはTre Cimeの裏側にあるようだ.そこからTre Cimeをぐるりと一周するのが標準コースだ.最初の目的地は次の山小屋Lavaredo,標高は2344mだ.時間は20分ほど,道も平坦で歩きやすい.次の目的地は標高2405mの山小屋Locaterri,時間は1時間程度だろうか.アップダウンがややあって,道もやや歩きづらい.最初に15分程度の上るとTre Cimeを側面から見ることができる.LocaterriはTre Cimeのほぼ正面に位置するので,歩きながら後方を向くとTre Cimeが三本並ぶ姿を徐々に捉えることができる.

子供達は元気いっぱいに歩いているのだが,運動不足の大人達の方がやや疲れ気味だ.Locaterri
からはTre Cimeにさらに近づくことができるのだが,駐車場まで2時間くらいかかりそうなので,これをあきらめて来た道を戻ることにした.それにしても日本では決してみることが出来ない景色に素直に感動した.

Tre Cimeではドイツ語をたくさん聞いたし,駐車場でもドイツナンバーの車をたくさん見かけた.確かに案内サインはイタリア語とドイツ語の併記だし,Locaterriではドイツ語のDrei Zinnenの方が先に書いてあって面白い.

2010年8月23日月曜日

ドロミテに素直に感動(1)

さて,第二次バカンスから帰ってきた.再びこのブログの更新に精を出していきたい.

第一次バカンスは,以前に三回に渡って紹介したベネチアと,今回から数回に渡って紹介するつもりのドロミテに行った.ドロミテはイタリア北東部に展開し,長年に渡り浸食を受けた石灰岩が不思議な地形を生み出している.昨年に世界自然遺産に登録されている.

ドロミテは3つの州にまたがるために,短時間で全てを廻るのは不可能である.今回は四泊しかできないので,ドロミテを代表する観光地であるコルティナダンペッッゾに集中することにした.ここは標高が1200mくらいで,下界よりも7~8度くらい気温が低く,大変過ごしやすい.冬期はスキーリゾート地に早変わり,50年前に冬季五輪が開催されている.

ドロミテの難点はアクセスだ.鉄道はとっくに廃止になっていて,ベネチアなどから一日一便のプルマンで来るしかない.これは夏期のみで冬期は自力で来るしかなさそうである.我々はもちろんベネチアからレンタカーでやってきた.距離は150km,7割くらいは高速道路区間で,残りは山道だ.所要時間は2時間半といったところだろうか.

コルティナを始めドロミテでは夏期でも様々なアクテビティーが可能だ.トレッキング,ハイキング,登山,ロッククライミング,マウンテンバイク当たりが主流だろう.テニスコートやスケートリンクまであるようだ.残念ながら,我々子供連れはせいぜいハイキングだ.

ベネチアをゆっくり出てきた初日は,ほぼ移動に徹することになった.夕方にコルティナの街を探索しながらレストランを探す.ガイドブックにもあまりページが割かれておらず,インターネットの情報もあまりない.この類の観光都市のレストランは今ひとつの印象があるのだが,結論から言うとやはりそうだった.初日のレストランなどは,ゆっくりメニューを見たくても「時間がかかるから早く注文した方がいい」と言われ,Antipasto, Primi, Secondiに関係なく,一度に料理を持ってくられる.ふと周りを見ると,団体の日本人観光客が多い.これを見てその対応に妙に納得.味も全然ダメ.中心部から離れたレストランにはいいところがあるようだが,車がないとアクセスは不可能だ.どうやら,食事の面ではあまり期待しない方がいいようだ.

何やら感動と銘打ったブログにふさわしくない終わり方だが,次回にこうご期待.

2010年8月14日土曜日

車上荒らしに遭う

さて,数日前のブログで予告した車のトラブルである.タイトルにあるとおり,見事に車上荒らしに遭遇してしまった.

8/8の日曜日,もうこの夏恒例となった泳ぎに出かける.行き先はもう三度目となるTorvaianicaだ.二時間もいればいいと思い,午後からゆっくり出かける.海岸に並行する通りは路駐で一杯なので,少し離れた場所に路駐した.

泳いで戻って来ると,サイドガラスが一枚割られている.ただし幸いなことに,付属的な小さい固定窓の部分だったので,修理は簡単そうだ.後部座席には犯人のものと思われる足跡がうっすらと見え,背もたれを倒してトランク内まで物色した様子がよく分かる.幸い,窓ガラス以外の被害はなし.

怒りで頭が真っ白になる.応急処置をして自宅に戻るが,保険の関係で警察からの証明書が必要かも知れない.私だけ急遽現場に戻り,近くの警察を探す.途中で立ち話している警官から警察署の場所聞いて出頭.しかし,閉まっていてインターホンによる対応だ.もちろん英語など通じるわけもなく,まだ立ち話していた警官の元に戻って事情を説明すると,「窓ガラスが割られたくらいでは被害届を受け付けないと思う.別にものは取られてないんだろ?(イタリア語なのであくまで私の理解)」と言うではないか...

仕方ないので自宅に引き返し,ルノーユーロドライブの事故対応センターに連絡すると,英語できちんと対応できてホッとすると同時に,「窓ガラスだけなら警察からの書類はいらない」と言われ,さらに安心.先に電話するんだった.ローマでの修理可能場所を聞き(センターは決して手配してくれない),翌日修理を依頼しに出頭する.

修理センターは,当然のごとく英語は通じないので,イタリア語筆談で対応.「保険は効かない」と言われたのだが,事後交渉だと思い,とにかく修理を依頼する.「明日午後12時半に受け取りに来てくれ」
と言われ,想像以上の早さに少し感激する.

事故対応センターにアクシデントリポートを送ってあったので,自宅に電話が入る.曰く,「警察の事故証明は取れないのか? そうだとすると,走行中に投石でガラスが割れたようにレポートを書き換えてもらえれば,保険は適用できる.これを修理センターからFAXをお願いして欲しい.その時にイタリア語の出来るスタッフが修理センターに状況を説明する」ということらしい.

翌日,修理センターに行く前に一時間前に事故対応センターに電話をして,「私が受け取りに行く前に保険から支払うことの話を付けておいて欲しい」と依頼すると,「できないから修理センターから電話を入れて欲しい」との一点張り.さらに,「アクシデントリポートは書き換えなくて良い.誰がそんなこと言ったの?」と言う始末.とにかく,人によって対応や話が違いことがよく理解できた.

仕方ないので修理センターに出頭.センターの電話を借りてフランスに国際電話をかけるが通じない.仕方ないので私の携帯で電話をして見るが,「五分後に修理センターにFAXを入れるから待ってて」と言われる.15分待っても全然FAXが入る気配がない.担当者も早く昼休みに入りたくてイライラしている.これは時間の無駄だと思い,実費を支払って修理センターを後にした.

いずれにしても窓ガラスは直った.この実費(200ユーロ弱)をどのように保険会社に請求するかが次の問題だ.想定される手間を比較すると,200ユーロはちょっとした授業料だと思ってしまいかねないくらいの金額だ...

明日から第二回目のバカンスに出かけるので,一週間ほどお休みします.

やっぱり名だたる観光地のベネチア(3)

ベネチアは水の都なので,やはり水上のレジャーを少しは楽しまないともったいない.今回はせっかくリド島に泊まっているのでビーチで海水浴を経験してみた.バポレットで移動している時に見る運河や海の水はものすごく汚くて,これに入ることは全く想像できない.しかし,リド島は幸い外海であるアドリア海に接しているので,そちら側の海岸はホテルのプライベートビーチやパブリックビーチがたくさんある.

宿泊したホテルはプライベートビーチを持っていたのだが,キャパが余りなさそうなのと有料だったので,パブリックビーチに行くことにした.これはリド島のバポレットターミナルから歩いて10分程度のところにある.ホテルの部屋から外を眺めていると,毎日朝9時頃に,本島方面からバポレットでやってきて,徒歩やバスで海岸方面に向かう人が結構多いことに気がつく.「これではパブリックビーチは入れないのでは?」と心配になったが,実際に行ってみると,思ったよりは混んでいなかった.更衣室やシャワー施設も完備しており,海水も思ったよりきれいだったので,お薦めだ.

もう一つの水上レジャーは「ゴンドラ」だ.過去二回の来訪ではゴンドラに乗ったことがなかった.サンマルコ広場近くにはたくさんのゴンドラ乗り場があり,ゴンドリエーレ(操船する人)と料金交渉をして乗り込む.家族四人だったし,何よりトップシーズンなので,どのくらいの料金をふっかけてくるかが個人的興味.たくさんの中国人がゴンドラに乗っていて,彼らがどのくらいの料金をふっかけられているのかも気になるところだ.何人にも交渉するのは面倒なので二人目にお願いしてしまったが,「50分コースで200ユーロのところを120ユーロにしてあげる」とのことだった.チップを入れて130支払ったが,ガイドブックの情報では30~40分で80~100ユーロと書いてあるので,まあまあかな.

今回乗船したゴンドラは,料金交渉時に説明していたコースをきちんと通過し,英語でポイントを説明しれくれた.やはりトップシーズンらしく,細い運河ではゴンドラの渋滞が発生してしまうのには思わず苦笑い.さて,乗船中は暇だったので,ゴンドリエーレにゴンドラ産業の状況をヒアリングしてみた.ベネチアにゴンドラサービス会社が9社あり,全部で425艘のゴンドラがあるのだそうだ.恐らく,ゴンドリエーレはどこかの会社に所属しないと営業できないのだろう.次の興味は一日どのくらいの客が乗るのかであるが,「夏は一日4~5組くらいだが,もちろん冬はぜんぜんいない」との回答だ.儲けの半分を会社に差し出すと考えると,夏に月5,000ユーロくらい,年間では30,000ユーロくらいの収入というところだろうか.大変な仕事の割にあんまり収入がないように感じるが果たして? ゴンドリエーレは乗船中,「建築密度の割に人口は少ない.家賃と物価が高すぎてものすごく住みづらい」と言っていたし,観光客にとってはあこがれのベネチアも住むのにはハードルが高いようだ.

縁あってたまたま三回もベネチアに来ることになったが,普通は一回,三泊もすればベネチアは十分に堪能できると思う.混雑,費用,快適度の点からいって,そんなに満足度の高い観光地とは言えない.実はこういうところが「名だたる観光地」の証なのかもしれない.

2010年8月13日金曜日

やっぱり名だたる観光地のベネチア(2)

ベネチア滞在初日の夕食は,あるイタリア旅行サイトに紹介されていたレストランだ.そこには「まだガイドブックには載っていません」という文章がある.私もそんなに人のことを言えないのだが,ついガイドブックに載っているレストランに入ってしまうものだが,そうすると必ず別の日本人グループを見かけて,ちょっと気まずい気分になるものだ.

友人家族と共にそのレストランに入る.予約はローマから入れておいたので,スムーズに席に案内される.食事を楽しんでいると,やはり日本人と思われるグループとカップルが複数入ってくる.手に持っているのはそのサイトのページをプリントアウトしたと思われる紙だ.ホント,観光情報案内でもインターネットの力は大きいと感じざるを得ない.今日では,情報がインターネット上にアップされた瞬間に,ガイドブック以上のプレゼンスを発揮するのかもしれない.

このレストランはベネチアらしくシーフード主体で,そのコストパフォーマンスは大変素晴らしかった.これまでベネチアは値段の割にまずいと感じていて,今回はいい意味でその誤解を打ち消してくれた.こんなことは滅多にないのだが,二日後の夜に再度予約を入れてレストランを後にした.果たして二日後に実際に来てみると,前回よりも多くの日本人グループが...

次の日は宿泊したホテルのフロントに,リド島でお薦めのレストランを聞いて,そこを予約してもらった.ここは運河沿いにテーブルが展開しているというロケーションが醸し出す雰囲気といい,味といい,素晴らしかった.幸い?,日本人も我々だけだった.今回の滞在では,ホテルから紹介してもらったレストランで外れはほとんどないように思う.それにしても運河には,多数のプライベートのボートがやってきて,「路駐」してレストランに繰り出していく.正直言ってかっこいい.


なお,これらのレストランでは完璧に英語が通じた.地元民の多いローマと違って,ここベネチアでは英語が出来ないと商売にならないのだろう.さすがに世界に名だたる観光地.

2010年8月11日水曜日

やっぱり名だたる観光地のベネチア(1)

7/30から8/2までベネチアに旅行していた.ローマから空路ベネチア入り.午前中の便だったが,予想に反してこの飛行機は空いていた.「ひょっとしてベネチアはそんなに人はいないのかな?」と思ったのだが,この期待は簡単に裏切られる.

私はこれでベネチアは三回目だ.一回目は新婚旅行,二回目は一年半前に出張で来ている.そこで,ホテルを本島ではなくリド島で取ってみた.あるイタリア旅行のインターネット情報サイトでお薦めだったホテルだが,専門家が薦めるだけあってなかなか良かった.リド島は車もバスも自転車も走っているし,アドリア海に面していてビーチも多数展開しているリゾートアイランドなので,本島とは随分と趣が異なる.

空港からリド島へは船で行った方が圧倒的に便利だ.しかし一人13ユーロで4才以上の子供は大人と同額である.さすがに足下を見ている(笑).しかもこの船はとんでもなく遅い.両脇を水上タクシーががんがん抜いていく.そのたびに大きく揺れて,船酔いしやすい人は少々きついだろう.

観光のメインはやはり本島だ.ホテルにチェックインして,バポレット(水上バス)の停留所に向かう.チケットを購入する時に,料金を掲示している案内板の内容を見間違えて,無駄なチケットを買ってしまった.窓口でリファンドをお願いしたが冷たい目で断られ,こちらもやや切れ気味に.それでも仕方なく72時間有効の乗り放題チケットを買うことにするが,一人33ユーロ,もちろん9才と6才の我が子達も大人と同一運賃だ.ローマの公共交通は10才まで無料なのに...それにしても1回券が6.5ユーロとは何ともはや...ちなみに,この一年半の間にRFIDタグの運賃決済システムが導入されていた.ちなみにさすが国際的観光地,英語はかなり通じる.ローマもそのはずだが...

チケット入手後,まずはリアルト橋を目指す.この日の夕食は友人家族と共にする予定となっていて,そのレストランの位置を確認するためだ.それにしても本島のメインストリートから少しでも外れると目的地を発見するのが非常に難しい.目的のレストランを何とか発見して,次に徒歩でサンマルコ広場に向かう.そこはまさに人の洪水だ.聞こえる言葉は,英語,ドイツ語,中国語,日本語,韓国語だ.ここでも中国人は大変目立っている.ほぼイタリア語しか聞こえない生活が続いている身としては,何となくホッとする.続きは次回.

2010年8月10日火曜日

ついに車を手にする(2)

さて,車を受け取る予定の8月6日の午後7時.ベネチアからローマに空路到着して,指示通りに受け取りセンターに連絡する.英語が通じてホッとする.相互に現在位置を確認し,到着ロビーで担当者に落ち合い,送迎車で受け取りセンターに向かう.

受け取りセンターは空港と環状高速から近い倉庫街の中にあるようだ.ある倉庫の敷地内にルノー車が多数並んでいる場所に気がつくと,果たして送迎車はそこに入っていく.いよいよ愛車とご対面.

ふと,並んでいる全車両のナンバー登録がフランスのものであることに気がつく.当然,我がClioもフランスナンバーだ.しかもナンバー登録終了年月まで入っているピンク色の目立つナンバープレートである.一見すると明らかに特殊な車両であることが分かる.一瞬,不安がよぎったのだが,その不安は二日後に現実のものになった.これは後日.

受け取り手続き自体は大変簡単.パスポートを見せただけで終わりだ.車両登録書と保険証書と取扱説明書(これはフランス語)を受け取って,あっけなく10分程度で終了だ.返却時には,数日前に連絡して引き渡し手続きのアポを取るらしい.こちらはもうちょっと時間が掛かるらしいのだが,そんなに問題ではないだろう.

愛車はこれまで借りてきたレンタカーと比べてパワフルで荷物室も広い.しかも微妙に走り屋仕様になっている.お陰で運転は大変快適だ.これでさらに楽しいローマ生活となるはずだが,果たして...

2010年8月9日月曜日

ついに車を手にする(1)

先週の第一次バカンスを終えて,週末から再度ローマに戻っている.バカンスから帰宅した6日金曜日の夜から,我が家に車という最強のパートナーが加わった.

ここイタリアでは,住民登録が出来ないと車を登録できない.住民登録には滞在許可証が不可欠.滞在許可証が手に入るのは早くて10月後半だろう.それから住民登録,車両購入と登録,ここまで来て年内一杯,もうすぐ帰国である.

一旦は車を持たない生活を心に決めた.しかし,やはり車の有無でアクティビティーの幅が大きく異なる.定期的にレンタカーを借りて来たが,レンタルステーションの女性(英語は完璧)と仲良くなったものの,やはり手続きは面倒だ.日本から戻った直後の7月上旬に,突如思い立ったかのように,他の方法はないかインターネットで探し始めた.

すると,思いがけないところからソリューションが見つかる.「カーリース」だ.フランスのルノーやプジョーが非EC国籍の長期滞在者に対して積極的にカーリースを展開しているのを発見した.早速,ルノーのカーリース制度"Renault Eurodrive"のページにアクセスし手配を試みた.ネットでの予約依頼後,日本にある代理店とのメールのやりとりで詳細を詰め,8月6日から160日間,Renault Clioをカーナビ込で約3,200ユーロで借りることになったのだ.

このリース制度,形式上は免税措置を受けて新車を購入,使用後はレンタル元がこれを中古車として売却することになっていて,借り手側から見れば単なる長期レンタカーだ.予約時に確認されたのはパスポート情報だけで,運転免許の情報は一切聞かれなかった.費用も契約時に一括振り込み(日本円で日本の銀行に)で済む.大変ありがたい.続きは次回.