2010年4月30日金曜日

文化週間:Colosseoとその周辺に行く(1)

ローマに来てから3週間が経とうとしていた先週末,そろそろローマらしい観光スポットに行きたいと思っていた.先週の中頃に街中を歩いていると,知り合いと偶然すれ違った.博物館や美術館をはしごしていたらしい.聞くとどうやら,今は文化週間だから多くの美術館や博物館が無料で見られるとのこと.毎年4月の中旬くらいに文化週間が設定されているらしい.生活関連のことばかりに気を取られていて,全然知らなかった...

それでも週末まで文化週間だったので,日曜日にcolosseo行くことにした.子供達にはあのような雄大な施設は受けがよいだろうから.オフィスに出勤する日はほぼ毎日眺めるColosseo,中に入るのは新婚旅行以来12年ぶりだ.前回と違うのは,Colosseoに隣接するForo RomanoとParatinoの丘もColosseoとセットの入場券となっていること.文化週間中は全て無料だ.

問題はどこで入場チケットを手に入れるかだ.Colosseoはとんでもなく並ぶだろう.Foro RomanoとPalatinoの丘は,大体どんなガイドもForo Romanoからスタートするから,Palatinoの丘から入るのが最も空いているに違いない.実際Palatinoの丘に行ってみると大して並ばすに入場券をゲット.早速中に入る.子供達には,「Colosseoは最後に行くからそれまで我慢して付いてきてね」と諭す.

実は,新婚旅行で来た時は,時間の都合でForo RomanoとParatinoの丘はきちんと見ていない.高校時代に世界史を選択せず,その後大学で土木を専攻したくせに,インフラ整備で有名な古代ローマの勉強をきちんとしていなかった浅学の身だ.今は塩野七生先生のローマ人の物語シリーズを完読し,基礎知識は(忘れているところも多いが)それなりにある状態だ.

言うまでもなく,Foro RomanoとParatinoの丘は古代ローマの政治の中心地だ.共和制時代の有名政治家,帝政時代の皇帝の多くが居を構えた.残念ながら,ほとんどの建造物は当時の原型を保っていない.中世から近世にかけて,これらは格好の石材の供給源となっていたらしいからだ.それでも見応えは十分.残念ながらあまりの混雑で,Casa di Augusto(アウグストゥスの家)は断念,次回に挑戦したい.

日本では見られない建造物を目の当たりにしたせいか,私がせっせと一眼レフで写真を撮りまくっていると,「僕たちも撮りたい」と子供達が言い出した.「これでぶつくさ言わずに付いてきてくれる」と思い,デジカメを貸す.アングルを気にして上手に写真を撮ろうとしている様子を見て,価値のある史跡の秘められた力にある種感動する.

なお,Foro Romanoは複数の丘に囲まれた窪地に立地しているようだから,Paratinoの丘からスタートすれば,最初に長い坂を上れば後は基本は下りとなり,個人的にはおすすめだ.ただし,Foro Romanoは緑が少ないので,強い日差しにご注意を.

長くなったのでColosseo編は次回のお楽しみ.

2010年4月29日木曜日

出国前に発送したEMSがやっと届いた

こちらの生活を結構楽しんでつもりである.それでも,いくつか心配事がある.依然として滞在許可を求めるための必要条件であるnulla ostaがまだ下りていないようだ.「まあ,そのうち下りるさ」とは思うのだが,やっぱり心がやや落ち着かない.

もうひとつやきもきしていることがあった.なかなか届かないEMSである.出国前に自宅近くの郵便局から段ボール箱で3箱発送しておいた.飛行機に持ち込む荷物の総重量を制限内に収めるために,バッグの数を減らすために,体積の割に重い書籍やモバイルプリンターと軽い割に体積の大きい靴を別送としたのだった.価格は重量で決まるのだが,総額6万円弱.確か合計で40kgくらいあったと思う.搭乗時に追加料金を取られるよりはまあ安いだろう.

EMSで送る前に,きちんとイタリアには送れるのか郵便局で直接確認した.「中身のリストを付けなくても大丈夫ですよ」とのこと.ネットの書き込みでは様々なトラブルが報告されているが,引き受け元がそう言っているのだし,安心して送り出した.

EMSは番号を入力すれば現在地を確認できる仕組みになっているので,非常にありがたい.発送後3日で早くもミラノに到着,早速中身のチェックに入っているようだ.まあ1週間程度で届くかなと思った.しかし,ここからが本当の戦いの始まり.

最初の問題は,実は事前に聞いていた住所の地番が違っていたこと.これは正直参った.日本人会の早とちり.さすがに悪いと思われたのか,配送先を正しい住所に替えてもらうようにイタリア語で電話を入れてくれる(英語が全く通じないからホント助かる).

ミラノから間違った住所のままで,奇跡的に封書が届く.中身を確認すると,イタリア語で何か書いてあるが,税関関係の書類であることは推測できる.個人使用のために送ったもの,しかもほとんどのものが使用済であるにも関わらず,輸入品扱いされている.伝票に中身の購入時の価格を正直に書いておいたのがまずかったらしい.5時間くらいかけて,イタリア語の文法書と辞書を使って翻訳開始.結果,「発送した商品の数量と価格(それが完全に証明できる添付書類を含む)を正しく申告するように,1週間以内に返答がなければ発送元に送り返す」と書いてあるではないか.「何もかも適当にやっているイタリアが何と厳密なことを言うのか!」といらだちを覚える.しかも紆余曲折を経て封書が届いているので,期限を過ぎている.検索からも消えている!

慌てて日本人会に相談する.「まあ,タテマエでこう言ってますが,ホンネではどうでもいいんですよ」との日本でよく聞くようなことをおっしゃる.「連絡しておきます」ということでお任せすると,翌日には再度検索できるようになっている.15万円と書いてしまった総額も「まあ4万円くらいにしておきましょう」とのことで,「使用済の個人利用のもの」という言い訳をイタリア語で記入して,FAXを送った.

その数日後,プロセスが動き始める.「究極のプロセス」と銘打たれ,あっという間に税関を通過,あれよあれよという間に配送されてきた.「中身を抜かれる」との書き込みがあったが,どうやら欠損はなかったようだ.面白いのは,同時に送った3箱のうち,1箱だけミラノからローマに早々に転送されているのだ.実はこの1箱がもっとも輸入品らしかったのであるが,なぜミラノの税関をノーチェックで通過したのであろうか? 謎である.参考までに,PosteItalianeのEMS検索サイトの最終結果を載せておく.908がミラノチーム,854がローマチーム.

しかし,最も許し難いのは,このような事例をたくさん聞いているはずの日本郵政が,何の躊躇もなくイタリア向けEMSを受け付けていることだ.一応トラブルが多いとは書いてある.しかし,別のサイトでは5日程度で届くとも書いてある.再官営化などというくだらない議論の前に,もっとやることがある.このような事実に対してきちんとした対応をして欲しい.

2010年4月28日水曜日

アパートの契約完了

これも遅くなってしまったが,先週木曜日に現在住んでいるアパートの契約を行った.4/6にローマに到着して,翌日からは既にアパートに入居していた.入居時には大家が観光旅行で不在の予定であったため,契約は帰ってきてからということになっていた.

この契約をサポートして頂いているローマ日本人会事務局には大変なご尽力を頂いている.当初は月1,400ユーロ(電気,ガス,電話を除く)の予定だったものを,交渉して1,200ユーロに下げて頂いた.滞在機関当初の資金ショートが懸念された身としては大変ありがたい.普通は1年に満たないような人の家賃はもっと高いようなので,大変ラッキーとしか言いようがない.


当初は先週月曜日に契約を結ぶ予定が,codice fiscaleが必要なために延期となった.既に書いたように,これはその翌日に至極簡単に取得できたため,木曜日のセッティングとなった.契約時に敷金2ヶ月分を併せて3,600ユーロの現金を用意しなければならない.実はこれが大変だ.

今度,銀行キャッシュカードのことについては改めて書きたいが,こちらではスルガ銀行のVISAデビットカードを使用している.クレジットカードではなく口座から直接引き落とせるために,使いすぎる心配はない.きちんと対応ATM(まだよく分からないがヨーロッパでは結構少ない可能性あり)を選べば手数料も安いようだ.

こちらのATM,実は一度に多額の金を引き出せないようなのだ.ある銀行では,1回最大250ユーロ,今「愛用」しているBNPパリバグループのATMでも1回1,000ユーロが限度のようだ.何度も並び直してお金を引き出さなければならない.しかも,ATMによっては1,000ユーロが,20ユーロ札50枚で出てきたりするではないか! はっきり言って非常に目立つ.強盗が怖い.

さて,何とか現金を用意して契約に望む.大家と不動産業者は英語が通じないようで,契約も日本人会に同行して頂いた.何と前日に大家の息子さんが交通事故で大けが.契約に立ち会えないかも知れないという連絡が入る.ひょっとすると退去まで大家に会わないかも...しかし,結局来てくれた.大家は精神科医らしい.契約自体は用意されていた契約書に貸し主と借り主がサインするだけ.至極簡単だ.10ヶ月という単位では契約は結べないので便宜的に4年契約とし,途中で破棄することができるという条項があり,我々の事情を最大限に斟酌してくれている.

さて,これでeverything OKと行かないのがイタリア社会だ.契約締結後,大家は48時間以内に警察に入居人の情報を提出しなければならないらしい.これは大家がするものだと思っていたが,そのフォーマットを私に渡し,「明日の朝,Trastevereのcommissariato(警察分署)にこれを提出して欲しい」と言うではないか.不動産業者も,「入居人が提出しても大丈夫だと思う」と言うし,大家も息子のことで大変なんだろうと思って,Siといって引き受けた.翌朝,その警察分署に出頭する.結局,受け付けてもらえず,大家が来なければならないとのこと.完全に時間の無駄であった.

2010年4月27日火曜日

ローマの動物園Bioparco

最近,手続き・契約関係でバタバタし始め,結構時間が取られている.そのため,ブログ投稿のペースが徐々に落ちてきた.書くのが随分と遅くなってしまったが,先週日曜日にローマの動物園に行った.Bioparcoといって,スペイン階段やPopolo広場近くのボルゲーゼ公園(Villa Borghese)に隣接している.19番トラムか3番バスのBioparco停留所で下車,入口まで歩いて5分といったところだ.これらの系統は主要な観光スポットから離れたところを運行しているので,観光客にはややマイナーな路線だ.

Bioparcoの入場料は,大人12ユーロ,身長1m以上の12歳までの子供は10.5ユーロだ.ただし,子供を同伴する大人は10.5ユーロにおまけしてくれるので,大人2人,子供2人で46ユーロ支払う.うちの近くにある横浜ズーラシアは,大人600円,小学生は200円だから,随分と高い.ちなみに,昨夏に行った旭山動物園は,小学生は無料だった.これでつまらなかったら詐欺だ.

そんな思いを抱きながら中に入る.園内マップには36種類の動物が示されている.これ以外にも牛,羊,ウサギといった10種類くらいの動物もいたような気がする.ズーラシアは70種類前後だ.12ユーロも取るんだから,もうちょっと種類がいてもいいと思う.

子供達の興味は,やはりライオン,トラ,ゾウ,クマといったところだ.これらの園舎の前は人だかりだ.珍しい動物はちょっとはいるとは思うのだが,きちんと「珍しい」と書いてないと分からない.もちろん,旭山動物園のような見せる工夫は一切されていない.掲示も基本的にイタリア語のみで外国人には少々つらい.結論,12ユーロは明らかに高い.子供にとっては史跡めぐりよりも楽しいとは思うが...

なお,我が日本からはニホンサルとシカがエントリー.ニホンサルは結構楽しめると思う.また,園内をクジャクが自由に歩き回っていた.結構うるさい声で鳴いていて,あの美しい羽を開くのではないかと期待させる.みんなカメラを構えるが,一向に羽ばたかない(笑).その写真が撮れたら12ユーロはそれなりに価値があるんだけどなぁ.

Bioparcoから出た後は,ボルゲーゼ公園をぶらぶら歩いた.この公園は結構楽しめそうだ.今度行ってみてから報告します.

2010年4月25日日曜日

太陽のありがたみ

こちらにきて約20日,この金・土曜日でこちらにきてから初めて使ったものがある.それは傘だ.これまでも室内にいる時に激しい雷雨が短時間降ったことはあったが,まる2日間しっかりと降っていた.

ここのところ,晴れた日は朝は冷え込むものの,昼間には気温は20度を優に超えている.通常は8時前に自宅を出発して子供達を小学校に送った後に,そのままオフィスに向かう.出発時には薄いコートをつい着ていきたくなるのだが,昼は確実に暑い.一日内の大きな気温差,現地にも慣れ始めて気がゆるみ始める頃,風邪を引きそうで怖い.

そんなところの雨だった.それにしても雨降りの日はやっぱり肌寒い.太陽のありがたみがよく分かる.この太陽を求めて欧州各地からイタリアに人々がやってくるのだ.このブログを書いている現在はよく晴れている.今日は太陽を一杯浴びることができそうだ.ローマには太陽がないと寂しい.

2010年4月23日金曜日

初めての行政手続き

人から聞いたり,ネットでいろいろ調べたりしていると,イタリアで生活するのに二つの行政手続きが必要らしい.一つ目はcodice fiscale,税番号である.銀行口座やアパートの賃貸契約をするのに不可欠らしい.二つ目はpermesso di soggiorno,滞在許可証である.文字通りこれがないと不法滞在となってしまう.

滞在許可証は,90日以上滞在する場合には,到着後8日(土日祝を除く)以内にquesturaと呼ばれる警察本部に出頭して,申請するらしい.到着して1週間くらい経ったある日,日本大使館に用事があったので,その近くにあるquesturaに試しに行ってみた.しかし,「ここではない」と言われて出頭場所の住所と行き方を書いたメモを渡された.最新の地球の歩き方ローマ編に書いてあった通りのところに行ったのに...替わりに示されていた場所は結構郊外だ.まあ,まだnulla osta(滞在ビザを取るのに必要なものらしい)が出ていないから,行っても無駄足だろうと思って,やめてしまった.もちろん,今日現在まだ出頭していない.仮にnulla ostaがあっても,ホームページで先達の経験談を見ていると,ものすごく取得に時間がかかるようだ...もはや,帰る頃にはもらえるのかなという気分になっている(笑).

一方の税番号であるが,これは比較的簡単に取得できた.昨日ようやくアパートの賃貸契約を結んだのだが(その様子は後日),これに必要だったからだ.アパート契約を予定していた先週金曜日に,「契約にcodice fiscaleが必要だから至急取りに行って欲しい」と突然言われ(最初から行って欲しかった...),その足でTrastevereの税務署(Agenzia delle Entrata)に出頭.しかし案内カウンターで,「月曜日朝にまた来て」とにべもなく言われ,記入フォーマットだけもらって税務署を後にした.その後インターネットで先達達の経験談を見ると,「一日に処理できる数が決まっている」,「朝7時から並んだ方が良い」といったことが書いてある.それで月曜日に来いと言ったのかと妙に納得(イタリアだからしょうがないか).

週明けの月曜日,8時に税務署に行ってみた.すると,入口の前に既に何人かいた.「3番目か,7時に来なくて良かった」と思っていると,「私はdieci(10)だから,あなたはundici(11)」といって女性が11と書いた紙切れをちぎって渡してくれた.どうも申請者側が勝手に受付番号を作っていたのだ.なかなかやるじゃん.既に9人来ていたのだった.受け付けが開始される8時45分には40人ほどになっただろうか.その5分前に,誰かが音頭を取って整列が始まる.大声でundici!と言いながら11番目に並ぶ.

「毎日こんなに税番号を申請しに来るの?」と思った.そんなに滞在希望者が多いのか,あるいは跳ねられ再挑戦する人が多いのか.担当者によって同じことが通用したりしなかったりするお国柄,いやが上にも緊張が走る.なにより俺にはまだ滞在許可証がない! しかし,受付が始まってみると,並んでいた人たちが様々な用事で出頭してきていることが判明する.税番号申請としての受付番号は5番目だった.やれやれ.

開始から15分後,以外に早く順番が回ってきた.電子案内板が「EB0005は8番窓口に来るように」と言っている.8番はどこだ? 近くには9~16番はあるが8番はないぞ...向こう側か! とにかくサインが全然なっていない.窓口担当者に申請書をパスポートを渡す.英語で話し始めてくれてホッとする.やっぱり「シェンゲンビザはないの?」ときた.「申請中でもう少しで取れると思う」と答えると,手続きを進めてくれた.3分後に仮書類を入手(正式版は1ヶ月後くらいに送られてくるらしい).初めて行政手続きが成功した瞬間であった.さて,次は長期戦だ.

2010年4月21日水曜日

丘に展開する坂の街ローマ

ここのところ,様々な理由でローマの街を歩いている(歩かされている).それにしても,ローマは歩くのには結構しんどい街だ.その理由は...もちろん坂が多いからだ.

今から2700年前だったか,ローマの創設期から市内の7つの丘に徐々に人々が張り付いていったことは,ローマ帝国に興味を持ち多少勉強した人なら周知の事実だ.Tevere川とこれらの丘の存在が都市を外敵の侵攻を防ぐのに都合が良かったらしい.

しかし,今となってはこの丘の存在,なんとも疎ましい.住んでみると,起伏の大きい地形が美しい階段や坂道といった都市のアクセントを与えてくれる,といった生やさしい感情を持つことはできない.実は十数年前に新婚旅行でローマに来ているのであるが,当時はより若かったせいもあり,同じ4月でそれほど暑くはなかったから,元気に歩き回っていた気がする.長崎の人たちも,きっと観光客の坂の風景への憧憬に対して,心の中では「生活している身にもなってみろ」と思っていることだろう.

それにしても夏はどうなってしまうんだろうか...暑さに弱い私としては,早くも戦々恐々である.