2011年8月1日月曜日

イタリアメディアの東日本大震災報道から感じたこと

東日本大震災はすぐにイタリアのメディアで取り上げられた.ヘリから撮影された仙南平野を疾駆する津波,リアス海岸に押し寄せる津波の映像はそれは衝撃的だった.国営放送RAIが使用していた画像はNHKのものを使用していた.

翌日には福島第一原発で水素爆発事故だ.この画像も衝撃だった.ただ,このことを一番早く知ったのは確かCNNのサイトであった.イタリアの地方紙も一面トップは震災モノである.ここまで日本が注目されてことは最近ではなかっただろう.何ともやるせないものだ.言葉は正確に理解できないが,原発事故を境に,報道の内容は日本への同情に併せて非難が入り始めているように感じられた.

聞く話によると,日本人学校のあるママは3月下旬に子供を連れて日本に一時帰国する予定だったのだが,そのイタリア人のパパが親族から「放射能まみれの日本に子供つれて戻ることを許すなんてなんと非人道的な!」と叱責を受けたそうである.私も何人かのイタリア人に「そんな危険な日本に本当に帰るのか?」ということを言われた.

この例を紹介したのは,日本の外務大臣が全然画面に登場しなかったことに問題意識を感じたからだ.大変奇異に感じられたし,海外にいる身としては,政府が国内にしか意識が行っていないように見えたことが大きな不安だった.海外から同情と懸念の声が大きくなる中,大臣がどのような対応をしていたのか,実は今もって全く分からない.大使を含め,大使館の動きはどうだったのだろうか? イタリア人とイタリア社会の日本に対する懸念を払拭するような行動をきちんと取ったのだろうか? ご存じの方は教えてください.

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